【評価】キプリスのコードバン長財布徹底レビュー

このページではキプリスで人気の財布の一つであるコードバン長財布のレビューをしていきます。

おそらくこの財布を実際に入手してレビューしているのは当サイトだけです。

※商品提供は受けていません。自腹購入です。

目次

コードバン長財布のレビュー

『ファスナー付通しマチ長財布|コードバン&ベジタブルタンニンレザー』

随分と財布の名称が長くなっていますが、財布の形と特徴をそのまま表したものになっています。キプリスの同種の長財布には「ササマチ」タイプと「通しマチ」タイプの2種類が存在します。

一般的に薄手のコードバン長財布では、札入れ部分の上部のみにマチが付く「ササマチ」が多いのですが、今回はちょっと珍しいとも言える「通しマチ」タイプをチョイスしてみました。それではその特徴について順を追って見ていきましょう。

■コードバン&ベジタブルタンニン

キプリスは1995年に設立され、約20年の歴史を持つブランドですが、設立当初より扱っていた同社の定番素材の筆頭ともされているのがコードバンです。

HPによればキプリスで使用するコードバンは国内産とのことで、製品によって仕入れルートや工程は異なるかもしれませんが、鞣しから染色までかなりのこだわりを持っていることが推察されます。

コードバン(CORDOVAN)とはスペインのコルドバ地方がその語源と言われ、農耕馬のお尻の部分からわずかに得られる希少な皮を鞣したものを指します。

その希少性に加えて、裏側から削り取るような採取方法、きめ細かい繊維と牛革の数倍と言われる強度、美しい光沢などから、「革のダイヤモンド」とも称されます。

こちらが外装のコードバン。何も手入れをしていない状態ですが非常に滑らかな表面で、手でそっと撫でるとシルキーな感触が伝わってきます。

また光が当たると美しく輝き、高級感が漂います。

一方、財布の名称の一部になっている「ベジタブルタンニン」というのは、植物タンニンによって鞣されたコードバンのこと。

動物の「皮」は鞣(なめ)し工程を経ることで「革」へと変化しますが、比較的近代の手法で時間やコストを抑えることが可能な「クロム鞣し」に対して、古来から行われる「植物タンニン鞣し」は手間がかかるものの、堅牢且つ経年変化が楽しめる革が得られます。

■ヌメ革の内装と「通しマチ束入」

財布を開くと内側は美しいヌメ革の内装になっています。

左上には「CORDVAN & Vegitable Tanning Leather」の文字。

特徴的なのはこの「通しマチ束入」の部分です。「束入」というのは、お札を折り曲げずに束のまま入れるタイプの財布を指しますが、多くの長財布では札入れ部分の下側にはマチが無いために、ある程度の枚数を入れるとお札の上端がせり上がってきてしまいます(ササマチタイプ)。

しかし通しマチの場合はお札の枚数が増えても全体的にマチが付いているため、収納力が抜群に上がります。

実際この財布に100万円相当の札束(実紙幣より3mmほど小さい疑似紙幣)を入れてみたところがこちら。ほぼ問題なく収納できそうです。

またこの通しマチはかなり折り目がしっかり付けられていて、お札の数が少ないときは財布の厚みは2cm以内に収まるコンパクトさです。

■お札入れ、小銭入れ部分の内側は合皮・布張り

一点気になったのは、見えない部分ですが、お札入れ・小銭入れの内側に合皮や布が使用されていることです。

10年以上は使う財布なので耐久性を考えて素材選びはされていると思いますが、他社(ココマイスター、万双、土屋鞄など)同等製品の革張りに比べると、かなり薄いので少し気になるところです。

価格的にコードバン長財布としてはかなりリーゾナブルになっているので、この辺りはトレードオフと言えるかもしれません。もし店頭で手にすることが出来れば確認してみられるといいかと思います。

■豊富な収納ポケット

カードポケットが12箇所、ワイドなマルチパーパスポケットが3箇所と、このコンパクトなサイズにしては、かなりの収納力を持っています。

またカードポケットは12箇所中4箇所が札入れの内側に設置されていて、健康保険証や運転免許証など使用頻度が少なく大切なカードに対応。

前面のポケット4箇所はカード挿入部分が斜めにカットされている為、カードの視認性が向上するなど、細い配慮が見られます。

以上、細部の特徴を詳しく見てきましたが、大雑把に言うと他社の同等クラスのコードバン長財布と比べて「コンパクト」且つ「収納力豊富」で、価格的にもリーゾナブルな一本と言えると思います。

【価格】40,700円(税込)

この財布はココマイスターやGANZOの同タイプの財布と比較すると2万円程度安いのでかなりお得だと思います。

【総評】

キプリスの特徴は財布のシリーズが非常に多く、そして価格が安いことです。同じ日本製のココマイスター、GANZO、土屋鞄などと比べると品質はまったく劣らないのに価格はかなり抑えられています。

今回レビューしたコードバン長財布も他社の同タイプだと4万~5万円以上します。製造から販売まで一貫して社内で行っているからこそこの価格を実現できます。

日本製の財布をお手頃価格で手に入れたい方におすすめしたいブランドです。

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