cimabue(チマブエ)は日本製の高品質な革製品を適正価格で購入できるのが良いですね。種類も豊富で、デザイン的にも洗練されています。
取り扱い店舗が少ない点だけが残念ですが、それ以外は特に文句の付けようがありません。
チマブエの解説
バッグから長財布や小物類まで、数多くのラインナップを揃える「CIMABUE」は、イタリア語の「CIMA(最上級)」と「BUE(雄牛)」を繋いだ造語だそうですが、威勢の良い名の通り「大人の男性」向けの革製品を展開しているブランドです。
他の多くの国産メーカーと同じく、国内外から「革」を厳選した上で、チマブエでは「匠」と呼んでいる国内の職人さんの手によって縫製を行っています。
「優雅で美しい、最上級へのこだわり」を謳っていますが、展開する長財布の価格帯は2~5万円と、比較的手頃な価格帯が多く、デザインさえ気に入れば、プレゼント用途などにも向きそうです。
また、人気のラウンドファスナータイプウォレットなどでは、通常の長財布よりもカードの収納力が多く、一部のマチを取り払って出し入れをしやすくするなど、実用的な工夫も盛り込まれていたりします。
大阪梅田大丸を筆頭に、全国40を超える百貨店等で取扱があるとのことですので、ネットだけでなく、実物を手に取って検討できる機会が多いのも特徴の一つと言えるでしょう。
※現在は梅田の大丸での取扱いはありません
アニリン染めコードバン ラウンドジップ長財布レビュー
上品な革質とデザイン性に定評のあるチマブエ。アリニン染めコードバンラウンド長財布をレビューします。
■ 素材感
この財布のコードバンにはヨーロッパ産の原皮が使用されています。それを兵庫県姫路市の馬革専業タンナー『新喜皮革』が鞣(なめ)し、柏市にある革製品卸売業者『レーデルオガワ』が染色、再加脂しています。
レーデルオガワはフィニッシャーで、GANZOや万双のコードバンにも採用されている実力派。水性のアリニン染めによる染色で、透明感のあるナチュラルな風合いが魅力です。
漆黒の美しい色合いと高貴な光沢感は、眺めているだけで心を満たしてくれます。
手にした商品によって個体差はあると思いますが、表面の傷はほとんどなく小さなトラが見られる程度です。
表面のコーティングは使用する毎に薄くなっていき、半年ほど経つとコードバンの繊維に触れられるようになるそう。革そのものの光沢が増していき、経年変化を楽しむことができます。
内側は北米原皮を使用した姫路産のヌメ革です。革好きには納得のコンビネーションでしょう。
■ サイズ
サイズは横20cm、縦9.5cm、厚み2.7cm。長財布の中ではやや大きめです。
衣類のポケットには収納しづらいサイズ感なので、カバンに入れて持ち歩くのが良いでしょう。
■ 仕様
この長財布の大きな特徴は片マチ仕様になっていることです。三面ファスナーをぐるりと開くと、片側の蛇腹マチが1箇所設けられていません。
この部分が大きく開くことによって札やカードが抜群に取り出しやすくなるほか、内側の収納スペースの見晴らしが良くなっています。
■ カードスロット
片マチ仕様と並び、カードスロットも特徴的です。横入れ式のカードスロットが両サイドに6×6の計12箇所設けられているほか、片マチ側にはさらに縦入れ式の6箇所のスペースがあります。
合計で18箇所もの大容量収納が実現するため、カード保有枚数が多い方には大変重宝するでしょう。
カードスロットの幅は横入れ式が約9.5cm、縦入れ式が約6.7cmあり、どちらも左右に充分な余白が設けられています。使い初めから出し入れの圧迫感はありません。
■ 札スペース
札スペースはコインケースを挟んだ両サイドに2箇所。1箇所は片マチ、もう1箇所は両マチと仕様が異なります。収納した札は上に引き上げて取り出すほか、片マチ側はスライドさせながら取り出すことも可能です。
片マチ側のほう使い勝手が良いため、現金メインの場合は使用する頻度の高い金種を入れておくと便利です。
反対に、キャッシュレス決済の頻度が高い場合は片マチ側に札を入れず、カードが見渡せるようにしても良いでしょう。
■ コインケース
コインケースは中央に配置。片マチ仕様のため横幅は約16cm弱と、長財布の中では短めのマチなし仕様となっています。
カードスロットの充実度に反して非常にシンプルですが、通常使用なら問題ないでしょう。
ただし、札をどんどん崩していくタイプの方には容量に不満が出てくるかもしれません。
■ マルチポケット
マルチポケットがコインケースの隣にあります。
領収書やレシートなど一時的な収納に適しています。マルチポケットを活用して整理整頓し、お金が入る財布に整えておくと良いですね。
■ ファスナー
ファスナーはYKKエクセラです。コインケースのファスナーにはエクセラのマークがついており、メインファスナーにはCHIMABUEのオリジナル刻印が施されています。
ゴールドメッキのコーティングはヨレがなく均一で美しい輝きを放ち、満足度が高まります。
ファスナーの噛み合わせのエレメントもがたつきはなく、滑りもスムーズです。
■ その他
コバは塗りで丁寧に塗り重ねられ、コバの濃茶がヌメ革の肌色をより際立たせています。
1枚革のコバは薄くすっきりとしていますが、革の重なった部分の処理はぷっくりと膨れているので、気になる方は気になるかもしれません。
また、縫製はきれいですが、縫い穴がやや大きく目立っています。
総評
ブランドが先行しない、コードバンの良さを生かした長財布です。カード収納の多さをはじめ仕様が工夫されており、あえて大きい財布を持つことのメリットを再認識させてくれます。
加えて、この出来栄えで5万円台という価格は大変お得だと感じました。
チマブエはまだそれほど知名度は高くありませんが、今後日本を代表する革ブランドに成長していく可能性が十分にあります。
期待して見守っていきたいと思います。
設立年 | 不明 |
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主な価格帯 | 30,000円〜60,000円 |
年齢層 | 40代以上が多い |
製造地 | 日本 |
品質 | 日本最高峰 |