今回は前半でクラフストのブライドルレザーのL字ファスナー財布を、後半でシェルコードバンの財布をレビューします。
ブライドルレザーL字ファスナー財布
■ 素材感
グッと渋いオーラで趣を感じる素材感。「色気がある」という言葉がぴったりのクラフストのブライドルレザーは、イギリスのThomas Ware&Sons(トーマスウェア&サンズ)社のもの。あまり耳馴染みがないかもしれませんが、1840年創業という古い歴史を持つ老舗タンナーです。
丁寧ななめしで「皮」から「革」へと昇華させる素晴らしい技術で、当サイトでも紹介しているムネカワなど本格派レザーブランドで採用されています。
トーマスウェア&サンズ社のブライドルレザーは、グリースが多く含まれているのが特徴です。個体差はありますが、比較的ブルームが強く出ているものが多く、その表情の豊かさから一期一会の出会いを感じられるでしょう。
ブライドルレザーは硬いため、コンパクト財布では操作性に支障をきたすのでは・・・と若干の不安を覚えながらファスナーを開きましたが、すぐにその心配は解消されました。
マチが長めに作られているため、大きく開いて視認性がとても良いのです。全てのパーツを見渡すことができて、死角になる場所はありません。コンパクト財布はサイズゆえ使いにくくなってしまうというデメリットを、マチの絶妙な長さ設定で上手に緩和しています。
のっけから試行錯誤したであろう企業努力を感じます。
■ カードスロット
カードスロットは全部で6箇所。横幅に充分なゆとりを確保しています。カードが約8.5cmに対して、カードスロットの横幅は実寸で10.4cmほど。実際にカードを一枚入れてみると出し入れがスムーズです。するするとした操作性で全くストレスがありません。
革は使用していくうちに馴染んでくるので、カードに近いサイズでぴったりと作られることも多いのですが、表面のブライドルレザーとの相性を考えたサイズ感なのでしょうか、使い始めから圧迫感なく使いこなせます。
試しにひとつのカードスロットに、カードを2枚重ねて入れてみました。やや操作性に重さが出ますが、それでも難なく入ります。内側はタンニン鞣しの牛革が採用されていますので、革が馴染んできたら2枚以上入れることも可能でしょう。
■ コインケース
コインケースは宙に浮いた状態で作られており、深さは約7cmほどで奥行きがあります。たくさん入れられるのですが、一番奥に入ったコインは指が届きにくく少し取り出しにくさを感じました。手が小さめの方は少々扱いづらいかもしれません。
また、長めに作られたマチがコインケースの内側に折り込まれる形状のため、コインを取り出す時にマチが邪魔してしまう可能性があります。人差し指でマチを外側に押しながらコインを探すと良いでしょう。
■ 札スペース
コインケースの奥行きの深さで操作性が上がっているのが札スペースです。実際に収納してみるとその素晴らしさを実感するのですが、クセのついてしまったお札でもしっかりとパーツにフィットして浮いてくることはありません。
このように横に入れることもできますし、コインケースの浮いた部分のわずかな隙間にくぐらせるようにお札をしまい込むこともできます。
お札の収納について、「横に入れるか」「くぐらせて入れるか」どちらの使い方が良いかですが、お札メインで使用される方は横入れのほうが取り出しやすく、より多くのお札を入れることができます。
■ ファスナー
ファスナーはYKK最高峰のエクセラ。ジッパーはつや消し、ツマミは光沢加工です。指でツマミを軽くつまんで引くだけですっと動き、ストレスがありません。戻すときはファスナーエンドまでしっかりと止まります。
ツマミは側面まできれいに仕立てられており、メッキのムラやヘアラインなどはありません。パーツのラインが直角で鋭角のため、指をかけたとき角が当たる感覚があります。
財布全体のイメージで考えるとこのツマミの形状はしっくりマッチしますが、使う方によっては少し痛いと感じられるかもしれません。ほんの少しでも面取り処理がされていれば手に触れたときのフィット感が増すでしょう。
【価格】29,700円(税込み)
まとめ
何度も質感や操作性をチェックしながら感じたのは、ブライドルレザーの革の質感・特性・スペックがしっかりとマッチした作りになっているということ。
そして、ひとつの商品として全体のイメージが統一されているため、違和感を覚えたり、惜しいと思ったりするポイントが本当に少なく、精度の高さに感心しました。
華美な装飾を加える必要は全くなく、本質で勝負するこの財布はさまざまなシーンで違和感なく取り入れられるものとなっています。
【人気順】クラフストのL字ファスナー財布3点
1 ブライドルレザー L字ファスナー財布
この財布の特徴
上でレビューしたブライドルレザーを使用したL字ファスナー財布です。以前は長財布が一番人気でしたが、キャッシュレスが進んだことでこの財布が一番売れるようになったとのこと。カード4枚、紙幣、小銭、領収書等を収納できます。キャッシュレス化は進んだけどまだまだ色々持ち歩きたいという方に最適です。
価格 | 29,700円(税込み) |
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評価 | |
備考 | 内部はイタリアンレザー・レザーは欧州産・日本製 |
2 シェルコードバン L字ファスナー財布
この財布の特徴
クラフストがブライドルレザーとともに力を入れているアメリカ産のシェルコードバン。そのL字ファスナー財布が2位にきました。クラフストに限らず今はコンパクトなL字財布が人気です。シェルコードバンはやはりブライドルレザーより高いですが、内装にイタリアンレザーを使用することで他社よりはリーズナブルです。
価格 | 39,600円(税込み) |
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評価 | |
備考 | 内部はイタリアンレザー・レザーは欧州産・日本製 |
3 ネブラスカ L字ファスナー財布
この財布の特徴
こちらはネブラスカというイタリアンレザーを使用したL字ファスナー財布です。イタリアンレザーのこの色は経年変化が楽しめるのも特徴の一つです。革らしい革が好きな方や革の変化を楽しみたい方におすすめです。
価格 | 28,600円(税込み) |
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評価 | |
備考 | 外装内装共にイタリアンレザー・レザーは欧州産・日本製 |