【評価:90点】ウォームスクラフツの解説と財布レビュー

ウォームスクラフツマニュファクチャーの革製品はとても高価なのですが、馬革(コードバンとホースハイド)を使っているのでその価値をご存知の方は納得できると思います。

というわけで今回は兵庫県に本社を置くウォームスクラフツマニュファクチャーについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。

目次

ウォームスクラフツの解説

THE WARMTHCRAFTS-MANUFACTURE(以下ウォームスクラフツ)は国産のホースレザー(馬革)を用いたメンズ向け皮革製品ブランドです。

コードバン(お尻の部分)を使用した財布や小銭入れなどの小物類、ホースハイド(胴体部分)を使用したバッグなどを製造しています。

(画像は公式サイトより引用)

運営会社の名前はそのままズバリ株式会社コードバン。コードバンに懸ける強い意志を感じます。

そしてその革を供給するのは親会社である有限会社新喜皮革。60年以上コードバンとホースハイドの生産を専業としてきた会社です。

現在コードバンとホースハイドについて、原皮を伝統の製法で鞣(なめ)し、染色、縫製、仕上げまで全てを一貫で行っているのは日本では新喜皮革だけとなるそうです。

新喜皮革のこだわりとも言えるコードバンは、「革のダイアモンド」とも称され、繊維が細かく美しい輝きを持つ革で、馬の臀部からわずかに採取することのできる希少皮革です。

また、ホースハイドは馬の胴体部分から得られる革で、新喜皮革のホースハイドはしなやか且つやわらかいことが特徴とされます。

▼それぞれの部位については、製品付属の説明カードに、わかりやすい図が掲載されていましたので、転載します。

ウォームスクラフツは新喜皮革の子会社という立場を存分に活用し、日本最高品質のホースレザーを使用した製品を日々作り続けています。

特に、後で詳しくレビューするナチュラル色のコードバンの財布は他に類を見ない美しさです。

コードバンは年々高騰しており、ウォームスクラフツの長財布は7万円ほどしますが、それぐらい出しても欲しくなるほどの魅力があります。

ウォームスクラフツの財布徹底レビュー

最後に人気の長財布をレビューします。

今回ご紹介する財布は阪急メンズ東京にて購入した物です。外装に使われているナチュラルコードバン(オイルコードバン)は生産量に限りがあるため、この財布は公式ストアには掲載されていません。店舗のみです。現在は公式サイトでも取扱いがあります。

美しい光沢を見せるコードバンに加えて、20枚分ものカード収納ポケットを持つ、大収容力が最大の特徴となっています。

下は外装のコードバンです。コードバンには、一般的な革製品に多く見られるシボ模様のようなものはありません。皮の内部から採取されるコードバンは、キメが細かく、限りなくフラットな表面を持ちます。

オイル仕上げ、ロウ仕上げなど、製造工程によって仕上がり具合は様々ですが、このラウンドファスナーはまるでガラスか工芸品のような表面です。

手でそっと撫でてみても、凹凸や引っ掛かりが全くない上に、ソフトで優しい感触です。光が当たると表面に綺麗に反射するのはもちろん、更にメンテナンスを施して磨き込めば鏡面のように周囲が映り込みそうな透明感を持ちます。

全体的には落ち着いたデザインにまとまっていますので、見た目は決して華美なものではなく、ビジネスで常用しても嫌味の無い高級感であると同時に、廉価なレザー製品では決して得られない高級感が漂います。

■ 掴みやすいファスナーのタグ

ラウンドファスナーウォレットは、当然ながら使用する度にファスナーの開け締めが必要になります。

一日に何度も使用するものですので、ファスナーが堅牢であること、コーナー部分も含めてスムーズに稼働すること、取っ手が持ちやすく開閉操作がしやすいことなどは必須条件と言えますが、この財布のタグ部分は長さ4cmと十分な長さに加えて、二重に張り合わせられた革が適度な厚みを持っていて、非常に掴みやすく、ストレスの無い開閉操作ができます。

ただ一点だけ気になったのが、ファスナーを強く・速く引っ張ったときに、角度によっては、内側の小銭入れのファスナーのタグ部分に引っかかる場合があること。この点だけは少し改善の余地があるかもしれません。(普通のスピードで引けばほとんど気になりませんが)

■ 3つに仕切られたお札入れ+カード20枚の大収納力

ラウンドファスナー財布は、外側のファスナーを開くと、仕切りまたは真ん中に設置された小銭入れを挟んで仕切られ、左右2箇所に分別収納できるようになっているものが、最も一般的でしょう。ところがこの財布は、その仕切りが2つあって、計3箇所に分別収納できるようになっています。

これはかなり実用的な嬉しい装備です。3箇所は均等なサイズになっていて、更にこれ以外に大型ポケットが2箇所にありますので、1万円札と他のお札を分けたり、新札、レシート、チケット、出張中の外国紙幣など、仕分けの自由度が高まります。

この仕切りですが、一つは小銭入れに、一つは両サイドが片面4枚ずつ・計8枚分のカードポケットになっています。カードポケットはこの他に、左右にそれぞれ6枚分ずつありますので、都合20枚ものカードを収納できます。しかもどのポケットも比較的スムーズに出し入れが可能なサイズに仕上げてあるのも嬉しいところです。

■ マチ付きで中身の視認性の高い小銭入れ

長財布に求める「機能」で、管理人が特に重視したいものの1つが「小銭入れの使いやすさ」です。やはり小銭入れが使いにくいと、日常使用する財布としての実用性が格段に落ちてしまうからです。

小銭入れの使いやすさの一つの指標となるのが「小銭入れにマチがついているかどうか」なのですが、この財布にはきちんと用意されています。更に、小銭入れの内部に明るいヌメ革が使用されているのも良いと思います。これによって小銭の視認性がぐっとよくなり、選別しやすくなるためです。

■ 厚さ20ミリのコンパクト性

以上見てきたように、一般的なラウンドファスナーウォレットの中でも、高い収納力を誇るにもかかわらず、サイズは実測で193mmx97mmx20mmに抑えられています。縦横はごく一般的なサイズ感ですが、厚さ20mmというのはむしろスリムな部類と言えるでしょう。

■ 高級感と実用性を高次元で兼ね備えた一本

高級ウォレットの中には、デザイン・審美性重視で、あまり多く中身を詰め込まないことを前提に設計されているものも多くありますが、このウォレットは高級感と実用性のいずれも兼ね備えています。

美しい外装を開くと多彩な収納スペースが出現し、タフなファスナーできっちり閉じてコンパクトに携帯。価格的にも飛び抜けて高い設定ではなく、どのようなシーンでも、どのような年齢層にもお薦めできるウォレットと言えそうです。

【総評】

ウォームスクラフツの製品はもちろんネットの公式ストアでも購入できますが、是非東京・大阪・京都・福岡にあるお店を訪れてみて欲しいです。

きっとそのクオリティの高さと店員さんの知識量・熱量に驚くはずです。

ただ残念なのが公式サイトが見づらく、表示が遅く、せっかくの財布が魅力的に見えないということ。ここが改善されるともっと印象が良くなるだろうと思います。

設立年2014年
主な価格帯50,000円~74,800円
年齢層40代以上が多い
製造地日本
品質日本最高峰

【追記】お店に行ってきた

旗艦店やデパート内のインショップが東京・大阪・福岡にあります。

■ 中之島の旗艦店

広い販売スペースの中で、バッグや財布、その他の小物類が多数置いてあります。

旗艦店と言うぐらいですから、ほぼ全ての商品を見ることができるのではないでしょうか。

■ 阪急メンズ大阪

梅田に阪急メンズ大阪があり、その財布売り場の一角にウォームスクラフツの販売スペースがあります。ウォームスクラフツの店員さんもいます。

財布の品揃えは十分ですし駅からも近いので、まずは阪急メンズへ行ってみると良いと思います。

ただ阪急メンズは販売スペースに限りがあるため、バッグに関してはごく一部しか見ることができません。

コードバンやホースハイドのバッグを見てみたい、もしくはウォームスクラフツマニュファクチャーのバッグに興味があるという方は、中之島にある旗艦店や阪急うめだ本店に行くといいです。

■ 阪急メンズ東京

東京だと有楽町の阪急メンズ東京の地下1階に出店していて、スタッフも常駐しています。

伊勢丹新宿メンズ館でも取り扱いがあって専任のスタッフもいますが、取り扱い商品にはかなり限りがあるので阪急メンズ東京の方が良いです。

■ 店員さんの知識が豊富

ウォームスクラフツマニュファクチャーのすごいところは革製品の品質だけではありません。他のブランドには上品な店員はいても、上辺だけの知識しか持たない人が多いため、いまいち商品に惹かれないことが多いです。

しかしこちらは店員さんが十分に教育を受けており、製品や革についての知識が豊富で、そして何より熱量がすごいです。もちろん店員さんによってバラつきはありますが、どの方もしっかりしていました。

熱い店員さんがいたからこそ、私はウォームスクラフツマニュファクチャーのファンになりました。お近くにお店がある場合は是非行って話を聞いてみて下さい。

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