今回は全国津々浦々のデパートで取り扱いのある日本の革ブランド・プレリーギンザについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。
デザイン的な物足りさはあるものの、全体的に評価は高いです。
プレリーギンザの解説
1957年創業のプレリーギンザは、銀座に自社ビルを構え、自社製品だけではなくDAKS・LACOSTE・PaulStuartなど数多くのライセンスブランドを展開する総合ブランドです。
プレリーの名を冠した自社ブランドで扱う革製品は、長年の経験に裏打ちされた技術・品質をベースに、洗練されたデザインを併せ持っています。欧州の上質な牛革をはじめ、コードバン、ブライドルレザーなど、厳しい選択眼で選び抜かれた素材を日本の伝統技法や熟練の職人技で仕上げるこだわりは、無駄がなく、一目見て品質の良さが伝わってきます。
プレリーシリーズはいくつかあってややこしいのですが、『プレリーギンザ』がメインであり、他に最高級ラインである『ジュエル』と、中国製で価格的に手にしやすい『プレリー1957』があります。
ちなみにメインのブランドロゴは”PRARE(プレア)”と読めますが、よく見ると「I」が隠れている、隠し文字のようなロゴで、”PRAIRIE(プレリー)”が正解です。このブランドの遊びココロが見え隠れしているようです。
『ジュエル』のNPJ1042徹底レビュー
『JUWEL(ジュエル)』シリーズはプレリーブランド製品の中でも、最高級ラインレザーグッズと位置付けられ、「伝統に裏付けられた技と、洗練された大人の完成を魅了するデザイン」と謳われています。
ここでご紹介するコードバン長財布は、まさにそんな一品です。外装はヨーロッパ産の原皮を国内のタンナーで6ヶ月かけて水染めしたもの。
コードバンは馬の臀部の内側の層からわずかに採れる皮を鞣したもので、「革のダイヤモンド」と言われるほど希少性が高く、またキメの細かい繊維質のコードバン層は、均一で滑らかな革となり、美しい自然な光沢が得られます。
均等で真っ直ぐなステッチライン。
そしてしっかりした厚みのあるコバは、財布全体が堅牢な造りになっていることを伺わせます。
牛革が用いられたナチュラルトーンの内装は、ピンと張られた革の質感、ごく細かいシボ感、そしてどこを取ってもパラレルなポケット&ステッチラインで、高級外車の内装のような上質感を醸し出しています。
蓋を開けた前面左側にはJUWEL PRAIRIEの専用ロゴ。真ん中に刻印されるミシンは、プレリーが清水製作所として創業した当時から使用しているものだそうです。
右側にはCORDOVANとMADE IN JAPANの文字。
カードポケットは全部で10枚分。容量は最小限、配置や使い勝手はごく普通といったところでしょうか。革が結構締まっているため、癖がつくまでは多少キツめな感じがします。横長の大型ポケットが二箇所用意されていますので、普段使いのカードなどはそちらに入れて置いたほうが良いでしょう。
お札入れ部分は上部にマチのつく「ササマチ」タイプで3~4cm開きます。普段使いには十分な容量が確保されていますが、シンプルでコンパクト性に徹した造りですので、余計なポケットや仕掛けは一切ありません。
小銭入れは、お札入れ部分の中に設置されていて、小銭入れを挟んで大型ポケットとお札入れ部分に分断する仕切りの役目も果たしています。全体的にコンパクト性重視で、非常に良いのですが、唯一この小銭入れについてはあまり使い勝手が良いとは言えない気がします。
小銭入れ用のファスナーと取っ手の操作性は良いのですが、マチも無く、開口部が狭いため、広げて奥に入った小銭を選別するのがあまり簡単ではありません。自ずと、レジで細かい支払いをするときは、財布自体をひっくり返して小銭を出すことになりそうですが、そうしたときもファスナーの開口部が狭まっているために、ひっかかりそうです。
総合的に見ると、この財布は実用性よりもスタイリッシュさを重視するビジネスマン向けのウォレットと言えるように思います。サイズ&ボリューム感はかなりコンパクトと言える部類ですし、構造的にも中に入れるカードや小銭は抑えられるため、スーツポケットなどに入れたときに、スーツのフォルムをスポイルすることも無さそうです。支払時に取り出せば、一目みて高級感が漂っていますので、あらゆるビジネスシーンで使用しても恥ずかしくない財布と言えるでしょう。
【総評】
デザイン的にはそれほど特徴は無いものの、プレリー1957・プレリーギンザ・ジュエルでは価格帯が違っているので色んな方の予算に合った財布を選べると思います。
品質は日本トップクラスです。
設立年 | 不明 |
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主な価格帯 | 22,000円~36,300円 |
年齢層 | 40代~50代 |
製造地 | 日本 |
品質 | 日本最高峰 |
【追記】お店に行ってきた
プレリーギンザはその名前の通り銀座に直営店があります。銀座一丁目駅や宝町駅から徒歩2分の所にあり、アクセスは良いです。
銀座という立地でありながら12階建ての自社ビルの1階に店舗を構えるという、他のブランドには見られない贅沢さです。
広々とした店内ではプレリーの各シリーズはもちろん、GOLD PFEIL(ゴールドファイル)の製品を見ることもできます。こちらもデパートではお馴染みです。
新喜皮革というコードバンのタンナーとの付き合いが深く、コードバンを使った製品を多く展開しています。銀座でコードバンの財布を買うなら真っ先に行って欲しいお店です。
尚、同じ銀座に店舗を構えるココマイスターやGANZOやyuhakuも近いので合わせて見てみてはいかがでしょうか。