「オーク」はカシやナラなど、どんぐりの実をつける、堅い高級木材。古くからスコッチ・ウィスキーの樽や高級家具などに利用されてきました。一方「バーク」というのは樹皮のこと。
このウォレットの名称となっている「オークバーク」は、オークの樹皮を用いたタンニン鞣しという、伝統製法から生まれる革ということになります。
オークバークブリストルは独特の色合い・風合いを持っていますが、これはオークの木から抽出される色そのもの。アンティークな質感と、ロウ仕上げの堅牢性を持つウォレットです。
【タイプ】ラウンドファスナータイプ
【外装】オークバーク(英国)
【内装】オークバーク(英国)、ヌメ革
【価格】74,000円(税込)
評価内容
【スコア】総合:82点
①機能性:85点
外装のオークバークの表面は、独特のかすれたような文様が広がっていますが、実用面ではこれが少々の傷などを隠してくれるため、あまり神経質にならずに使用できそうなのが良いところでしょう。その他の構造については、特に可もなく不可もなくといったところです。
②質感:80点
オークバーク・ブリストルの中でも、写真の「イングリッシュオーク」カラーは、刷毛塗りしたような白いかすれ模様がアンティーク感を醸し出します。
また、革の表面はロウ仕上げになっていて、保護膜が形成されています。これは手に取ってべたつくようなものではなく、非常に良い手触りです。
③コンパクト性:85点
厚みは23mmに抑えられてはいますが、オークバークで鞣された革はかなり強度があり、その分、若干ボリュームを感じます。あまりコンパクト感はありませんが、下にも書いた通り、ファスナーを締めたときにフォルムが崩れにくく、携帯性は良好です。
④収納力:85点
しっかりとした革ですので、中身をそれなりに詰め込んでも膨れあがることなく、ファスナーを締めるとすっきりと収納できそうです。
⑤小銭入れの使いやすさ:85点
片側に大きめの4cmのマチが付いた小銭入れは、使用時にかなり広げることができるため、小銭の選別などはやりやすくなっています。
⑥お札入れの使いやすさ:85点
真ん中のファスナー付き小銭入れを挟んで、左右に1つずつお札入れがあります。
またお札入れ部分には大きめのマチがついており、使い勝手として特段大きな特徴があるわけではありませんが、お札の収納や選別は特に問題ありません。
⑦カード入れの使いやすさ:85点
カードポケットは、小銭入れを挟んで左右に各4枚ずつ、横向きに収納します。全体的に若干余裕をもった造りに感じられますが、カード入れについても、比較的スムーズに出し入れが可能です。
⑧管理人のお気に入り度:75点
価格帯が比較的高いのは、オークバークの鞣し工程に約1年という期間が必要とされていることが主な要因だと思いますが、この革のもつ独特な風合いに価格相応の価値を見いだせるかどうかは個人の嗜好によってくると思います。
【総評】
他にはない独特なアンティーク感、表面のかすれ模様、この辺りが気に入った人にとっては、面白い選択肢になると思います。また、表面の模様と、ロウ仕上げによって、傷が目立ちにくい・付きにくいのは特筆に値する部分でしょう。
【価格】74,000円(税込)
【追記】オークバークの新シリーズ
2016年に登場したオークバークシリーズですが、2020年、オークバークを編み込んだ「ザ・オークバーク」というシリーズが登場しました。
以前からイタリアンレザーであるマットーネを編み込んだマットーネオーバーザウォレットが存在しましたが、それをオークバークでやろうという発想に驚きです。
本レビューで登場したのはイングリッシュオークというカラーですが、その他にもブラウン、ブラック、ネイビーなどがあります。
個人的に目を奪われたのはこちらのワインバレルというカラー。この色でこの模様はかなり目立ちそうですね。
価格も通常のオークバークよりも更に高額になりますが、レザーの加工も財布の製造にもかなりの手間を費やしていますので、当然のことです。
気になる方は是非合わせてチェックしてみて下さい。
【価格】105,000円(税込)