国産革ブランドとして確固とした地位を築いてきたココマイスターですが、その定番とも言えるのがイタリアンレザー「マットーネ」を用いたシリーズです。人気の秘密は、上品な艶を持つ質感と、内装のヌメ革との美しいコントラスト、そしてオンオフどのようなシチュエーションにもマッチする汎用性にあると言えるでしょう。
中でもこのマルチウォレットは薄くしなやかな造りで、まさに「マルチ」に活躍してくれる一本になりそうです。
とりあえず公式ページを見たい方はこちらからどうぞ。
【価格】28,500円(税込)
マットーネマルチウォレットのレビュー
■ 手にしっくりと馴染むマルチウォレット
まずこのマルチウォレットを実際に手に取ってみて感じたのは「柔らかい」「まるい」「使いやすそう」というものでした。実は購入前に公式サイトの画像で見ていた限りでは、ごく平凡なデザインの、特徴もあまり無さそうな財布だなと思っていました。それでもなんとなく使いやすそうな気はしていました。
上手く表現するのはなかなか難しいのですが、一言でいうなら「極上の平凡さ」という感じでしょうか。一見、より廉価な財布とあまり変わり映えしないデザインですが、手にした時の安心感がまるで違うのです。それはやはり「造り」と「素材」の良さからくるものだと思います。
これはココマイスターの財布全てに言えることですが、内装の見えないところの部材も全て革が使われていて、手抜きがありません。箱から取り出して顔を近づけると、いつもながらの革の香りが広がります。
安価な財布や、海外ブランドものなどでは、小銭などで摩擦が生じる内張りに合皮や布が貼られていたり、革の厚みやコシを補うために補強材が入っているものも多くありますが、そのようなことも一切ありません。
また縫製については、国産ブランドの中でも常に安定して高い水準にあると思います。このようなこと全てが、間違いなく長く付き合えそうな安心感を生むのです。
■ 他のマットーネシリーズとの比較
「マットーネ」は、イタリアの伝統的「パケッタ製法」で生み出される皮革です。表面には革らしい適度なシボ感があり、卵白で磨かれる(カゼイン加工)ことによって艶が生まれます。また、化学薬品を用いず植物タンニンで鞣され、オイルを多く含んだ革は自然な経年変化を生み、使うほどに味わいが増していきます。
さて、このマットーネを用いたシリーズは、ココマイスターの中でも人気のシリーズとなっています。
▼こちらはラウンドファスナータイプで、ブライドルシリーズと人気を二分する「マットーネラージウォレット」(厚み2.5cm、重さ178g)
▼こちらは、編み込み模様になっている「マットーネオリヴェートウォレット」(厚み2.5cm、重さ150g)
▼本レビューの「マルチウォレット」はこれらと同じマットーネシリーズの一員ですが、より薄く(2cm)、より軽く(127g)なっており、同シリーズの中でも最もカジュアル色が濃いのが特徴と言えそうです。
また、マットーネシリーズは、ココマイスターの他のシリーズと較べても選択肢が多いのが一つの特徴で、2つ折り財布から、コインケース、カードケースなどまで数多くのラインナップが揃っています。
■ マットーネ+ヌメ革・ツートンの内装
次に内装を見てみましょう。これも「マルチウォレット」の最大の特徴の一つと言えると思いますが、外装の「マットーネ」が内装前面にまで回り込むように使用されています。一方、カードケースや札入れ部分は、マットーネシリーズ共通の明るいヌメ革が使われます。
「マルチウォレット」では、この2つの革が財布を開いた時に同時に見えて目を楽しませてくれます。サイドから見たときも、マットーネの中に、白いヌメ革が顔を覗かせて、ちょっとしたアクセントになっています。
■ 3段折りのマチで使いやすいお札入れ
肝心のお札入れ部分のマチにも一工夫が施されています。マチは片開きなのですが、こちらの写真のように3段折りになっているため、お札を出し入れする際にマチが邪魔にならず、すっきりとした収納、スムーズな出し入れが可能になっています。
■ 特徴的な前面大型ポケット
前面の大型ポケットも、大きな特徴です。これはココマイスターの中でもかなり珍しいデザインで、通常はこの部分もカードポケットになっているものが多い中で、マルチポケット1つに絞り、入り口部分にはゆるやかなアールを持たせています。
例えば映画や電車のチケット、レシートなど、何も考えずにざくっと入れる。「マルチウォレット」の性格を最もよく表す部分と言えるかもしれません。
オールラウンドに活躍してくれそうな「マルチ」なウォレットは、どなたにでもおすすめできる一本です。
価格 | 28,500円 |
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レザー | 表面:欧州産マットーネ 内部:欧州産ヌメ革 共に牛革 |
縫製地 | 日本 |