今回ご紹介するYFC114はユハクの他の財布と同様にうっすらとしたグラデーションがかかっています。
また、更にその素材となっているのは国内産の高級皮革コードバンということで、期待が高まります。
YFC114長財布
■ コードバン独特のソリッドな艶に濃淡の美しさがプラス
馬の臀部からわずかに採れるコードバンは、表面が非常にスムーズ且つ堅牢な革です。
そのソリッドな感触は、長期間に渡って使われることが予定されているようで、非常に安心感を感じます。また、一点一点丁寧にグレージング(艶出し仕上げ加工)が施された表面には、まるで鏡のように周囲が映り込みます。
ユハクの公式blogによると「ヨーロッパに見られるパティーナのような技法はクリームでお化粧のように色付けされるグラデーションカラーだが、yuhakuでは絵画技法をアレンジした独自の技術により何度も手作業による染めを繰り返す事でそのグラデーションを表現」とあり、またYFC114では「レーデルオガワの水染めコードバンと、ユハクの手染めの融合」となっています。
ユハクの大きなな特徴ともなっているこのグラデーションは、今回チョイスした「ブルー」ではそれほど目立たないのですが、かえって控えめな濃淡模様が、普段使いやビジネスユースには程よい感じです。
■ オリジナルファスナータグ
このウォレットのもうひとつの大きな特徴と言えるのが、こちらのファスナータグ。ユハクのロゴが刻印されたオリジナルタグで、材質はおそらく真鍮かステンレスだと思います。
財布を使用する度に必ず触れる部分ですが、デザイン的なアクセントになっているとともに、実用性の高い形状、質感の高さを併せ持っています。
■ ツートンカラーの内装
ファスナーを開けると、内装はブラウン系統の牛革が使用されているのですが、内装の一番外側、カードポケットの少し上辺りが、一部分だけ色が変わっており、目立たないながらもツートンカラーとなっています。
触った感触では、おそらく外装のコードバンと同じ素材が張られているようなのですが、これが意外とおしゃれです。外装には凝っていても、内装は意外とシンプルな財布も多い中、こだわりの見られる部分です。
■ 実用的なマチ付き小銭入れ
真ん中に設えられた小銭入れのファスナーを開くと、片側にマチが付いており、中の小銭が選別しやすくなっています。このマチはあるのと無いのとでは使い勝手に雲泥の差が生まれます。
また小銭入れ部分の革は結構厚手にできています。ここが意外と薄くて耐久性が心配になる財布もありますが、これはしっかり作ってあるなという印象を受けました。
■ 余裕のあるカードポケット
カードポケットは左右に6枚分ずつ、計12枚分が用意されています。必要十分な数だと思いますが、更に良いのは、ポケットの幅に若干の余裕があること。一般的なクレジットカードを入れた場合、カードが横方向に数ミリ動くほどの余裕があります。
カード入れ部分は、カードが抜け落ちない程度にキツめに作ってあるものが結構ありますが、特にラウンドファスナー型のウォレットの場合は、あまり意味がありません。ファスナーを開いて、更にカードの取り出しに苦労するのでは、日々使うウォレットとしては操作性が著しく悪くなってしまいます。
このウォレットでは、カード入れ部分の牛革が柔らかめなのも、扱いやすさに繋がっています。
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本作・YFC114にはダークブラウン・ブルー・ワイン・グリーンの4色がラインナップされています。公式サイトの画像を確認する限り、手染めの個体差もあるとは思いますが、ワインカラーのもので最も濃淡がはっきりと出ているようです。
価格は、88,000円。コードバンであることを考えると、決して高いとは言えないのではないでしょうか。
全体的にコードバンの高級感・耐久性、ユハクらしい染め、そして実用性を兼ね備えたYFC114は、どなたにでもお勧めしたくなる、間違いのない一本だと思います。