二つ折り財布が誕生したのはおおよそ1950年、つまり65年前に生まれたわけですから比較的歴史は浅めです。このページでは、意外と知られていない財布の歴史と誕生秘話をご紹介します。
財布誕生の歴史
西洋ではおよそ西暦1600年頃に財布がつくられ、日本では1800年頃に長財布が誕生したと言われています。
それまでは巾着などの袋に小銭を入れるスタイルが多かったものの、スリが“巾着切り”と呼ばれていたことから分かるように、巾着の紐を切って財布を奪う盗人も多かったのです。
小銭だけでなく小判や紙幣の持ち歩きができる“紙入れ”や、紙幣に折り目をつけずに持ち運べる“札挟み”といった財布も増え、貨幣の種類が増えると同時に、財布の形や在り方も変わり続けてきたのです。
二つ折り財布は食堂で生まれた?
二つ折り財布が生まれたのは、財布の歴史でもかなり後になってからで1950年頃と言われています。
ニューヨークの食堂を訪れた実業家が財布を忘れてしまい、その際に「財布や現金を持たなくても食事ができる店があったら便利かもしれない」と思いつきます。
専用カードさえあれば食事ができるサービスを弁護士などと立ち上げるのですが、これが現在クレジットカードで有名な世界的企業ダイナーズクラブになるわけです。
ちなみに日本で初めてクレジットカードとして利用されたのはダイナーズクラブのカードなんですよ。
ダイナーズクラブの誕生により、それまで主流だった現金の支払いではなく、クレジットカードでの支払いが増えたことによって、カード類を持ち運べる二つ折り財布が誕生したわけです。
歴史から見る“財布のこれから”
調べてみると、時代と共に財布の形や果たすべき役割が変化してきているんです。おそらくこれから先も財布の形や役割は変わっていくでしょう。
しかしながら財布に対するこだわりがある私としては、希望的観測も込めて財布が無くなるとは思っていません。ただ、より軽量で縮小された形になっていくだろうとは思っています。
スマートフォンのような高性能デバイスがあれば、電子マネーやポイント制度もより使い勝手が良くなりますし、クレジットカードだってこれから先、より活用されていくと予想できるからです。
最後に
もちろん電子マネーやクレジッドカードは便利ですし、多額の現金を持ち歩くよりよっぽど防犯面でも安心できるのは間違いありません。
しかし、同じ財布を長く使い続ける幸福感や、紙幣や硬貨を見た時に抱く充実感はいつまでもなくならないでほしい。そう願ってしまうのは私だけではない、そう思っています。