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伝統重んじる革職人集団、山藤・プタハ(PTAH)の魅力

 

東京、元浅草。昔ながらの人情が残る町。老舗革製造会社の山藤が手がけるプタハは、そこからスタートしました。

 

山藤にはオリジナルブランドが2つ。プタハとアクアです。今回は前者に焦点を当てて、その魅力をご紹介します。

 

ちなみにプタハは古代エジプトにおける天地創造の神、ひいては工芸・職人の神として崇められた創造神プタハに因んでいます。これも、歴史ある革職人集団としての誇りがあるからこそ、命名できたブランドでしょう。

 

ということで、まずは山藤とはどんな会社なのか?その歴史から追っていきます。

プタハ有する山藤(やまとう)ってどんな会社?

プタハ製品を購入すると、ボックスには「YAMATOU 1899」の文字が。えっ、今から110年以上前!?と驚きの数字が印刷されています。調べてみると、山藤の創業は本当に1899年(明治32年)でした。

 

日清戦争終結からわずか4年、森永製菓の前身となる森永西洋菓子製造所が創業され、スペインではFCバルセロナが、イタリアではACミランが創設されるなど現在にも名を残す企業・団体が生まれた年でした。

 

その最中、創業者である山本徳太郎氏が若干17歳で革財布専門の工房を立ち上げます。なんと創業当初から革財布を作っていたとは…。二代目となった山本藤次郎氏が自身の氏名の頭文字を取り、山藤という会社が生まれました。

 

歴史ある会社ということもあり、革製品に対する想いは並々ならぬものがあります。時には当主(現在は五代目)自ら世界各国を周り、タンナー(皮革製造業者)や問屋と交渉することもあるそうです。

■ プタハとアクアの違い

簡単に説明しますと、メンズラインかウィメンズラインかの違いです。

 

プタハのシリーズは全体的に、革本来の味を生かした武骨なスタイル。詳細については後述しますが、「革そのものを楽しみたい」と考える方はやはりプタハを選びます。

 

 

一方アクアは、シリーズ全体に春風のような爽やかさを漂わせたラインナップが目立ちます。女性でも手に取りやすく、サラッとした印象です。

 

 

ただし、プタハ=メンズ、アクア=ウィメンズという縛りは持たなくても良いと思います。どちらのブランドにも中性的なデザインはあるので、純粋に気に入った商品を使うのがやはりお勧めです。

お勧めしたいプタハ・シリーズ6個

プタハで展開されているシリーズは全部で13個あります。革好きにとっては選ぶのが難しいほど、どのシリーズも個性と職人技が光っています。ここでは、その中でも特に厳選した6個のシリーズをご紹介します。

■ Fuukin/フウキン

 

プタハ並びに山藤のフラッグシップモデル(ハイエンドモデル)として創られたのが、Fuukinです。名称の由来になったのが、当シリーズに採用されている「風琴マチ」。

 

風琴マチとは日本独自の技術では、海外ブランドで取り入れているのを見たことがありません。財布両端のマチ部分が「Y字」になっていて、通常のマチと違うのはほんの些細な部分。しかしそのこだわりが、長時間お札を保管していても綺麗に使えるというメリットを生み出します。

 

さらに、「革のダイヤモンド」と称されるコードバンを贅沢に使い、顔料仕上げではなく「水染め」という伝統染色だからこその透明感とツヤを生んでいます。

■ Bridle/ブライドル

 

Bridleに使用されるブライドルレザーは、かつて馬具用革として厚み・堅牢度を追求して開発された革素材です。そもそもブライドルとは、馬に装着する手綱などの馬具を意味します。

 

プタハのBridleに採用されているそれは、英国の高級タンナーが製造した高品質保証の革です。革表面の白い粉状のものは「染み込ませたロウ」です。革の耐久性を格段に上げ、見た目とは裏腹に滑らかな肌触りがあります。

 

ブライドルレザーと言えばブラックやネイビーが主流ですが、レッドなどの発色の強いカラーでも「ブルーム(白い粉状)映え」するので、いつもと違う雰囲気の財布が欲しいなという時にもお勧めです。

■ Migliore/ミリオン

 

コードバンを使用した革製品は通常、内装にはボックスカーフ(仔羊革)など柔軟性に富んだ革素材を使用し、使いやすさを追及します。しかしプタハのMiglioreシリーズは、内装までコードバンを使用した、武骨さを極めたアイテムです。

 

ヌメ革(タンニン鞣しを施した革)なので、使用や経年による味を楽しめるため革好きからすると夢のような一品。

 

現時点で長財布はラインナップに並んでいませんが※、「馬蹄型コインケース」は男心をかなりくすぐる仕様です。
※オールコードバンの長財布だと革の硬さが堅調になり、使い勝手が悪くなるのでそもそも作っていない可能性があります

■ Buffing/バフィング

 

山藤独自の染色技術で4色の顔料を重ね、夜空のような風合いを落とし込んだのがBuffing。数ある革製品の中でも極めてツヤが強く、顔料仕上げながら経年変化も楽しめる一品です。

 

一瞬目に留まるだけでエレガントさがダイレクトに伝わるので、男性だけでなく女性も手に取れる革製品として提供されています。

 

Buffingならやはりブラックがお勧め。漆のようにどこまでも黒い色彩が、見つめるだけで引き込まれるような不思議な風合いを醸し出しています。

■ Tito Alonso/ティート・アロンソ

 

革製品としてはポピュラーなイタリンアンレザーを採用したシリーズです。外観は非常にシンプルですが、やはり山藤の技術が活きています。ビジネスでもカジュアルでも、オールシーンで使い倒せるのでミニマル志向の方にもお勧めです。

 

山藤ブログによれば、Tito Alonsoは「5・6代目なんです」と長期間利用する方が多いのだとか。確かに飽きの来ないデザインですし、一度気に入ってしまえばずっと使いたくなるような魅力があります。

■ Sport/スポルト

 

最近はフィットネスブームということもあり、Sportもおすすめのシリーズです。革を鞣す段階で防水剤を加えて、繊維層までコーティングすることで非常に高い防水性を実現しています。しかも顔料を使っていないので、革本来の質感まで楽しめる。

 

トレーニングで汗を流した後も、雨の中のキャンプでも使える革製品というのはなかなかありません。もちろん完全防水ではないので、ちょっとした手入れは必要です。

プタハの革に触れて実感したこと

私自身、プタハの革に触れて感じたのは「思ったより薄い!」ということ。ちなみに、Bridleのラウンドファスナー長財布を手にした時の感想です。重厚感がありながら滑らかというか、感触がいつまでも手に残るような心地良さがあります。

 

 

もう一つ注目したのが「革表面の傷」です。タンナーから職人が一つ一つ手作業で作る革製品というのは、製造工程でどうしても革表面に傷が付きます。ハイブランド系の革製品なら加工によって傷を目立たなくするのですが、それだと革本来の味が楽しめなくなります。

 

ですので、山藤のような革職人が作る革製品と表面の傷は、切っても切り離せない関係なんです。しかし驚いたのがその傷の少なさ・目立たなさです。やはり革製品に対する誇りが相当高く、手間暇かけて丁寧に作っているのだと感じられます。

 

老舗革職人集団ですが、デザインに関してはグローバル視点を取り入れている所が見受けられます。Sportシリーズの3連ミニポーチは、今季流行するであろうデザインを取り入れた商品になっており、単純に革を楽しむだけでなく日々のファッション・アイテムとしても重宝します。

改めて、プタハの魅力を語る

山藤は創業110年以上の会社ということもあり、やはり「革素材の仕入れ」がとても上手なように感じます。海外タンナーとのパイプラインが強いので、上質な革素材を安価に入手し、それがプタハの価格にも反映されています。

 

例えば、ココマイスターが提供するブライドルレザーのラウンドファスナー長財布と、プタハのBridleラウンドファスナー長財布の価格を比較すると、プタハの方が20,000円弱安いです。

 

ココマイスターの財布

 

どちらも上質な英国産ブライドルレザーを使っているのは確かですし、それは双方のブルームや手触りを確認すれば、しっかりとした製造プロセスを経てきたことが分かります。つまり、原価ベースで考えれば品質はほとんど変わりません。

 

山藤の財布

 

にもかかわらずプタハは20,000円弱も安くなっているので、これも歴史ある革職人と海外のパイプラインが非常に強いからではないかと考えられます。

 

ココマイスターとプタハ。どちらの方が人気・ポピュラーなブランドか?と聞かれれば前者になります。しかし、20,000円弱の差がつくほどブランド力の違いはないと思うので、やはりプタハはコスパの高い一品が多いと言えます。

 

質は高い、デザインも良い、だが財布に優しい。しかもメイド・イン・ジャパン。山藤・プタハの魅力はそこにあると思います。

行ける方はぜひ、山藤のアトリエに足を運んでみてください

山藤は東京都日本橋の人形町と、新宿の神楽坂で直営店を2店舗運営しています。さらに、本社・工房がある元浅草には「アトリエ YAMATOU」も。アトリエは予約不要で来店でき、プタハに触れられることはもちろん、山藤が作る世界観に没入できる革好きにとって魅力的なスポットです。

 

旅先で革製品工房を見かけるとフラッと立ち寄ってしまうという方は、楽しめること請け合いです。また、革製品に詳しくないという方も職人と直接話をしながら知識を吸収すると、楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか。

 

山藤・プタハを持つことは、「110年以上の歴史を持ち歩く」ということ。明治時代中期から脈々と受け継がれてきた職人の誇りと魂が詰まった革製品は、日常にちょっとしたワクワク感をもたらしてくれます。

 

以上、山藤・プタハの魅力をお伝えしました!

 

山藤公式サイト