【評価】タケオキクチの解説と財布レビュー

幅広い年代に親しまれているタケオキクチですが、当サイトでレビューした結果、高評価とはなりませんでした。

ここではタケオキクチについて解説しつつ、人気の長財布のレビューもして、高評価とならなかった理由を詳しく解説します。

目次

TAKEO KIKUCHIとは

TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)は1984年に設立した大手アパレルメーカーWORLDが展開する日本向けメンズブランドです。

「かっこよさ」「丁寧さ」「豊かさ」をコンセプトに、伝統的かつスタイリッシュなアイテムを展開しています。全体的にシンプルなデザインのため幅広い年齢層が取り入れやすく、特に40代以上からの評価が高いブランドです。

TAKEO KIKUCHIは衣類をメイン商材としていますが、小物、アクセサリー、雑貨などファッションに関わるアイテムも多数展開しています。ビジネスからオフスタイルまでマッチする汎用性の高いデザインで、実際に愛用している方を見ることもあるのではないでしょうか。

本家TAKEO KIKUCHI以外にもTK、THE SHOP TK、TK SAPKIDなどのテイストの異なる派生ブランドが存在します。1984年から長きに渡り続くブランドの安定感と知名度で圧倒的な親しみやすさがあります。

シグマ長財布レビュー

アパレルがメイン商材のTAKEO KIKUCHIは革アイテムも多数展開していますが、革好きに受け入れられる品質なのでしょうか。使い勝手とともにレビューします。

■ 素材感

素材は、イタリア・トスカーナ州にある「ロ・スティバーレ社」のもの。イタリアの伝統的製法である植物性タンニン鞣しのバケッタレザーのみを扱うタンナーです。

バケッタレザーの特徴は、使うごとに革の中のオイルが染み出してきて美しい艶が生まれ、しっとりと美しいエイジングが楽しめること。さらにこのモデルは細かな格子状の型押しが施されています。

プラダで使用されている型押しレザー「サフィアーノ」に似ていますが、こちらの方が柄が大きくアイコニックな印象です。

型押しレザーは型崩れしにくいため、長期間使用してもフォルムをキープしやすいのがメリットです。反面、可動部に負荷がかかりやすく革が切れたり剥がれたりするというデメリットもあります。

内側は光沢感のあるスムースレザー。きめ細やかで美しく、透明感があります。

カラーは表面と同色でまとめられていますが、カードスロットの一部にトリコロールカラーが使用されアクセントになっています。

裏地の一部はタケオキクチのオリジナルテキスタイル、グレンチェック柄を採用。ナイロン素材で軽やかに、そして控えめながらもブランドらしさを主張しています。

■ カードスロット

カードスロットは縦入れ7箇所、横入れ12箇所の計19箇所。カード保有枚数の多い方でも満足できる大容量収納です。

左右の余白は十分あり出し入れはスムーズですが、革が硬いため適度な負荷がかかりホールド感は抜群。しっかりとカードを認識しながら取り出せるようになっています。

■ コインケース

コインケースはマチなしのファスナー付き。財布の横幅いっぱいでたくさん入ります。ただし、フラップ部分が右手にかかって取り出しにくさを感じます。

このコインの取り出しにくさは折りたたみ長財布全般に言えることではありますが、このモデルはより感じやすいかもしれません。

なぜなら、型押しゆえ革のしなりがなく革が元に戻ろうと手を押してくるからです。

また、〇で囲った部分にかなりの負荷がかかります。革端に亀裂が入るのを防ぐため、フラップを曲げすぎないようにしたいという心理的な影響も使いにくさに繋がります。

■ 札スペース

札スペースはコインケースの奥に配置されています。約1cmのマチが設けられているので100万円収納できる計算です。

フラップ問題で札も取り出しにくさが懸念されますが、財布を平行に持って横からスライドさせるように引き出すと良いでしょう。

■ マルチポケット

マチなしのポケットが左右に2箇所ずつ、計4箇所あります。領収書、商品券、乗車券等入れたいものを好きな場所に入れておけます。

収納スペースが多く自由度が高いのは強みです。

■ ファスナー

ファスナーはYKKの3号。スライダーはシルバーのつや消しでシャープな印象です。

作りに問題があるのかファスナーが閉まり切らず、どうがんばってみても噛み合わせのエレメントが2つ分開いてしまいます。コインが飛び出してしまうことはありませんが、最後までしっかりと閉まらないのは煮え切らない気持ちです。

■ 縫製

縫製はおおむねきれいです。縫い穴は若干大きめですが気になるほどではありません。

目の幅と革幅が合っておらず、コーナー部分が曲がっている箇所がありました。個体差でしょうか。

内側は全体的につっていますが、販売価格が2、3万の財布で裏も表もパーフェクトな縫製の商品はそうそうありません。革色と同色の糸を使用しているので気にならないでしょう。

■ コバ

コバは塗りで仕上げられており、特有のぽってり感があります。一部塗りムラで革端が波打っているのが気になりました。

【総評】

アラ探しのようなレビューになってしまいました。

著名ブランドが手掛けている分デザイン性は十分評価できますし、素材もこだわっています。ただ操作性の問題や革端が切れやすいなどの不安要素もあるので、残念ながら手に取った人すべてが満足できる商品ではないと感じました。

今回レビューした折り畳み長財布と型押しレザーの組み合わせは相性が悪いように思いますが、タケオキクチの他のラインナップ、ラウンドファスナーや二つ折り財布は使い勝手が良さそうです。

設立年2009年
主な価格帯16,000円~22,000円
年齢層20代~40代
製造地海外
品質価格相応

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