男女問わず支持を受けているラルコバレーノ。まずはブランドの概要を解説し、その後で一番売れているというコンパクト財布のレビューもしてみたいと思います。
価格がちょっと高めで多少の減点となりましたが、財布の質は高く全体のバランスもとても良いという評価です。
ラルコバレーノとは?
ラルコバレーノはバーニーズニューヨークやビームスなど、人気セレクトショップなどでも取り扱いのあるイタリア製革小物ブランドです。立ち上げは2008年なのでまだ若い方です。
イタリア製ですが企画は全て日本で行っているため、日本でのライフスタイルにあわせた仕様で製作しているところが特徴の一つです。
もう一つの特徴は、世界トップクラスのクオリティを誇るフランスアルラン社のゴートレザー(山羊革)を使用したアイテムを展開していること。
ゴートレザーのメリットとは、摩擦に強く、耐久性に優れており、汚れにくいこと。そして山羊革特有の毛穴模様が描く奥深い表情が印象的です。ゴートレザーは一見柔らかそうに見えるのですが、実は牛革よりも硬い素材です。実際に触れてみるとよく分かり、指で押してみると強い弾力を感じるでしょう。
硬い革ほど取り扱いが難しく加工に高度な技術が必要ですが、素材を知り尽くしたイタリアの職人が丁寧に仕上げていきます。
また、ゴートレザーは繊維がぎゅっと詰まっているため、染色すると綺麗に色が染み込みきれいに発色する素材です。そのためラルコバレーノはカラーの美しさにも定評があります。
スマートカードウォレットのレビュー
今回はコンパクト財布のスマートカードウォレットをレビューします。キャッシュレス派ユーザーから評価を得ており、今ラルコバレーノで一番売れている財布とのことです。
■ 素材
ゴートレザーはシボ加工を施しており、複雑な凹凸とランダムな筋模様が印象的です。タンニンなめしとクロムなめしを組み合わせてなめされていることで、より繊細な模様を再現し、キズや汚れが目立ちにくくなっています。
内側右下にはオールハンドメイド、オールレザーを示す「TUTTO IN PELLE FATTO A MANO」と押印されています。
ラルコバレーノのアイテムは全てのパーツにレザーを使用するこだわりをもっており、コインケースの内側などの見えない部分であっても安価な素材は採用していません。
内側左下にはブランドロゴとMADE IN ITALY刻印がされています。ブランドロゴは大きめですが、箔なし押印のため主張はさほど感じませんでした。
■ サイズ・仕様
横9㎝弱、高さ11cmほどと片手に収まるサイズ感で厚みも薄いです。
冒頭で述べた通り日本で企画されているので日本の紙幣を基準にした仕様にしており、使い勝手等も日本のライフスタイルに沿うよう設計されています。
■ 札入れ
紙幣でも一番大きいサイズの一万円札を入れてみました。ぴったりと収まります。
しかし、一万円札のサイズは16cm×7.6cmのところ、カードウォレットの札入れスペースの横幅は約17cmで作られており、あそびはほぼありません。そのため、お札を取り出すときは気になりませんが、入れるときは引っ掛かりを感じて少し時間がかかります。
ラルコバレーノに限らずコンパクト財布は長財布と比べて収納面でデメリットがあるものです。この点は仕方ないでしょう。
■ カードスロット
カードポケットは財布の側面と底部分の二面が縫い付けてあるフラップ式のため、ポケットを浮かすと種別が良く分かります。ポケットの先端がななめにカットされており、指がかけやすく使いやすい形状です。
フラップ形状のパーツが真四角の場合、先端をピンポイントに持ち上げると反ってきてしまうことも。その点先端がカットされているものは面が増え癖が付きにくくなります。
表面の片側にも1か所ポケットがあります。内側のカードスロットよりやや大きめに見えますが、サイズはほとんど変わりません。頻繁に使用するカードを収納しておくと便利です。
■ コインケース
表面の背中側にあるファスナー式コインケースは必要最低限のサイズです。正直、間口が狭く使いやすさに欠けますが、コンパクトに特化した財布で片マチを作っているのはブランドの企画力を感じます。
このマチがあるおかげでコインを寄せると種別を認識できます。
この仕様のコインケースは、財布を傾けたりずらしたりしながらコインを取り出すことになります。ファスナーがストッパー代わりになってくれるので、コインが落ちる心配はありません。
■ ファスナー
数万円台の財布を製作する際、コストを下げるためにファスナーやボタンなどのパーツ類のクオリティを下げるブランドが多いのですが、ラルコバレーノはYKKの高級ライン「エクセラ」ファスナーを採用しています。この価格帯ではなかなかお目にかかれないので素晴らしいです。
マットゴールドのやさしく高級感ある色合いで、噛み合わせのエレメント(務歯)もゆがみが少なくきれいに作られています。その分噛み合わせの密着度が高いため、動かしたときは少し重く感じられるでしょう。しかしこれが高精度ファスナーの証でもあり、とても良い音が鳴ります。
■ コバ
ひとつ気がかりなのはコバです。厚みのある塗料は光沢感が強く、素手で触るとペタペタとした粘着感があります。
日本のように梅雨や気温の高い夏など、何かの拍子にコバが溶けて色移りしたり、しばらく使用しない間に保存袋の素材がコバに貼りついてしまうこともあります。
普通に使っている時は気にしなくて大丈夫ですが、長期間眠らせておく機会がある場合は定期的に出して風を通すなど対策するのをおすすめします。
■ 縫製
縫製はきれいです。パーツが重なる部分や負荷がかかる部分は返し縫いして補強されており、安心感があります。
【価格】37,400円(税込)
【総評】
ゴートレザー製財布の価格帯は大変幅広く、ネットで調べてみると安いものでは一万円を切るものから、高いものでは何十万というものも存在します。
今回ラルコバレーノの財布を実際に手にしてみて、品質や使い手のことを考えたパターン、デザイン性を兼ね備えていて37,400円という価格はコスパが良いと思いました。ブランドの知名度はまだまだですが、中身が詰まった良いアイテムを作られています。
「品質が良いが高すぎない」「センスの良い財布が欲しい」「新たなブランドを開拓したい」という方にぴったりでしょう。
設立年 | 2008年 |
---|---|
主な価格帯 | 37,400円 |
年齢層 | 20代~30代 |
製造地 | イタリア |
品質 | 高品質 |
【追記】東京の直営店に行ってきた
東京の清澄白河駅から徒歩5分、オシャレなカフェや美術館などが立ち並ぶ通りの一角にラルコバレーノの唯一の直営店があります。
こじんまりとしたお店の中にたくさんの財布が綺麗に並べられています。そのほとんどがコンパクト財布。長財布もなくはないですが、ごく一部。
だからこそコンパクト財布が欲しい人の選択肢に入るのでしょう。
当ページでレビューした人気No.1のスマートカードウォレットはもちろん、人気No.2のスマートミニウォレット(上の写真)も多くのカラーバリエーションが並べられています。よりシンプルでより軽く、価格も少し安いです。
有吉さんぽやZIP!などでも取り上げられたという人気店です。コンパクト財布・ミニ財布で検討中の方は是非行ってみて下さい。