Alt81(おるとはちじゅういち)は日本製の高品質な革製品を適正価格で購入できるのが良いですね。東京に実店舗もあります。種類が少ないので当サイトの基準では高評価にはなりませんでしたが、その数少ない財布がとても良い味を出しています。
というわけで、今回はAlt81について詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。
おそらく今回の財布を実際に入手してレビューしているのは当サイトだけです。
※商品提供は受けていません。自腹購入です。
Alt81の解説
2012年スタートでブランドとしての歴史は浅いものの、細部へのこだわりや、熟練職人へのこだわりでは決して先行ブランドにひけをとらないばかりか、後発ブランドであるが故に、特に「ユーザー視点」を大切にしている印象があります。
例えば外装・内装素材へのこだわりはもちろんのこと、日々の使用に当たって最も使い勝手に影響を与えるファスナーのアールやサイズには徹底してこだわり抜き、購入後でも個々のユーザーの使用感に合わせて引き手を交換可能とするなど、他では見られないサービスです。
HPも見やすく洗練されており、必要十分な説明がされています。店頭でデザインに惚れて衝動的に買うのも良いですし、もっときちんと知ってから購入したいと思うユーザーには、ちゃんとその答えが用意されているわけです。
ちなみに本稿執筆現在、Alt81の販売は、公式サイトまたは直営店に限定されていますが、数量が限られているという以外に、これらの説明をきちんとした上で、納得して購入して欲しいという意図もあるようです。
本稿レビューにもありますが、実際に手にした製品も十分に満足のいくレベルに仕上がっています。また、公式サイトにも、長年の愛用ユーザーへのアンケートが多数掲載されており、製品への満足感が伝わってきます。
Alt81の長財布徹底レビュー
Alt81からは、財布・革小物・鞄・ベルトなどが発売されていますが、中でもフラッグシップモデルと言えそうなラウンドファスナー型長財布「mark_ラウンド長財布02)」についてレビューしてみたいと思います。
■ 「誘う長財布」
「誘う長財布」と銘打たれたラウンドファスナーですが、どちらかというと見た目はかなりおとなし目の部類で、良く言えば華美ではなく飽きのこない、逆に言うと一見平凡な印象です。
外装に使用されているのは「ルガトショルダー」という革で、ちょうど良い艶感に、よく見ると特徴的なトラ模様が見られます。
タッチフィールは固く締まって張りのある感じなのですが、特筆に値するのが傷への耐性。普通この手の表面に艶があるタイプの革は、少し爪先があたっただけでひっかき傷ができてしまいがちですが、この革は多少強めにこすっても目立った傷になりにくいようです。
メーカーでは「スイス産ステア(生後3~6カ月以内に去勢され、生後2年以上の雄の成牛)のショルダー(肩部分の革)を使用」する革は、肉厚で丈夫とうたっていますが、まさにその通りの印象です。
但し、塗装の関係で色落ちしやすく、水に弱い特性があるそうですので、その点は若干注意が必要かもしれません。
■ こだわりのファスナー
ファスナーや持ち手にこだわりをみせるブランドは結構ありますが、番手の大きなファスナー、ゆるやかで大きなRの角、特大5cmの長さを持つ引き手など、Alt81はその最右翼と言っても良いかもしれません。
ただし、ファスナーのスムーズさは、個体にもよるのかもしれませんが、手元にある個体を他ブランドの同サイズファスナーと比べてみたところ、若干重さを感じました。
また、内側の小銭入れファスナーにも4cmの持ち手がついています。日々開け締めを行う部分ですので、ここは使用感に直結しますが、こと掴み安さに関しては間違いなくトップレベルでしょう。
一方、取っ手があまりに大きくて、むしろ使いづらいと感じた場合には、無償で交換してもらえるサービスがあるようです。この辺りも、アフターを含めてユーザーフレンドリーなブランドと言えそうです。
■ ほつれの無い人工スエードの内装
内装を見てみると、長財布としては珍しいスエード調の素材が用いられています。実はこれは人工スエードで、高級感としなやかさを持ちながら、布生地内装のようにほつれることのない起毛素材。
適度なやわらかさを持っているために、特にカードポケットなどではきつすぎず、ゆるすぎずの、絶妙の使い心地を実現しています。
カードポケットは一般的な12枚収納ですが、サイドに大型ポケット2つに加え、小銭入れの横にマチ付きのエクストラ収納スペースがあって、大容量の収納力&仕分け能力を誇っています。
■ 間口の広い小銭入れ
小銭入れ部分は、前述の4cmの大型引き手、4cmのマチに加えて、柔らかな人工スエードのおかげで、ファスナーを開くとこれ以上ないくらい開口します。外装にネイビーかグリーンを選ぶと内張りはブラックとなるため、通常ですと暗い部屋では若干小銭の選別がしにくくなることがありそうですが、これだけ開けば心配はなさそうです。
【総評】
革財布の価格はそれこそピンきりで、1万円程度のものから10万円を超えるようなものまで様々ですが、一般的には2万円を下回る価格帯のものはグレードがかなり落ちる、または本来の革財布とは言い難いものが多いのが実情です。
このmark_ラウンド長財布02は、オーソドックスな飽きのこないデザインに加えて、十分な収納力、ユーザー目線の実用性と扱いやすさを誇っており、価格も35,000円(税込・2021年1月現在)とお手頃だと思います。
これから革財布の世界に足を踏み入れようという方にも間違いのない一本と言えそうですし、ブランドとしても間違いはありません。
設立年 | 2012年 |
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主な価格帯 | 25,000円~35,000円 |
年齢層 | 40代以上が多い |
製造地 | 日本 |
品質 | 高い |
【追記】お店に行ってきた
都営浅草線の蔵前駅から徒歩1分の所にあるAlt81の直営店に行ってきました。
小さなお店ですが、その中に厳選された革製品が陳列されています。
中でも目を引くのが、当ページでレビューした『mark_ラウンド長財布02』です。一番目立つ場所に置いてあり、人気の高さが伺えます。
実際これが一番人気があるようです。
この財布はカラーによって表情が全く違うのですが、同じカラーであってもそれぞれに個性ある『トラ(模様)』があるため、一つとして同じ財布はありません。
今回お店ではしっかりと知識のある店員さんから懇切丁寧にお話を伺うことができました。Googleマップの口コミが★4.5というのは伊達じゃないです。
蔵前はちょっと行きにくい場所ではありますが、駅からすぐなので是非行ってみて欲しいです。