今回はイギリスを代表する革ブランドの一つであるエッティンガーについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。
全体的にバランスが取れていて良いブランドです。
おそらく今回の財布を実際に入手してレビューしているのは当サイトだけです。
※商品提供は受けていません。自腹購入です。
エッティンガーの解説
ロンドンの超高級デパートハロッズやフォートナムメイソンなどが位置するナイツブリッジから西へ数キロ、テムズ川の対岸近くに現在の本店とショールームを構えるエッティンガーは、1934年に設立されたイギリスの高級レザーグッズメーカーです。
代々英国軍の裁縫職人であったエッティンガー家によるファミリー企業である同社は、現在も創業者の長男が代表を務め、1996年には英チャールズ皇太子より王室御用達の栄誉を授かったとのこと。
英国の革というと、同国伝統の馬具革であるブライドルレザーが有名ですが、多くのタンナーから最高の革を仕入れる同社のブライドルレザーは極めて繊細で、エッティンガーのために特別な仕上げが施されたものもあるといいます。
また内装に多く用いられるパネルハイド(馬の鞍の背中に当たる部分の革)イエローのアクセントカラーは、エッティンガーのアイコンともなっています。
創業の地イギリスで、今も伝統的なタンニン鞣し工程を経て生み出されるハンドメイド製品は、欧州のファッションブランドが作るウォレットとも、日本国内ブランドが欧州皮革を用いて作るウォレットとも違う、エッティンガーならでは独特の洗練された雰囲気を醸し出します。
エッティンガーの財布徹底レビュー
ブライドルレザーの外装に、コントラストのきいたパネルハイド(馬の鞍の背中部分)イエローの内装と、ETTINGERの特徴と言われる比類ない「薄さ」を追求した仕様。COAT WALLETは、その名の通りCOAT(上着)ポケットへの収納を最大限に考え抜いた、スマートなウォレットです。
外装は全面にブライドルレザーを使用。非常にキメの細かいスムーズな表面で、見た目も手触りも確かな「革」を感じさせてくれるものです。
横から見ると、最大の特徴である薄さが際立ちます。この薄さを実現する為に、小銭入れも廃し、カードポケット+お札入れのみというシンプルな構成です。
ちなみに購入時の外箱も、一般的な長財布に比べると、半分ほどの薄さですっきりとしていました。
中身を入れていない状態では、最も薄い部分で7mm、折り返し部分でも1cmを切るという究極の薄さを実現しています。ちなみにETTINGERの公式サイトを見ると、サイズは18cmx10cmとなっており、厚みの表示がありません。意図的ではないと思いますが、それほどに厚みを意識させない造りになっています。
中を開いてみると、イエローの内装が絶妙なコントラストを楽しませてくれます。シンプル&スリムなウォレットですが、会計時にはこのアクセントカラーがおしゃれな雰囲気を醸し出してくれそうです。
カードポケットは片側一面に8枚分。全て横向き収納です。公式サイトには「重なる面積を極力抑えたカードポケットの配置により、カード8枚入れても財布の厚みに影響はでません」との説明があります。
そんなことはないだろうと、実際に8枚を入れみたところ、確かにほとんど厚みを感じることはありませんでした。それほどに、そもそもの造りが薄く仕上がっています。
ただ難点は、カードの挿入が結構きついこと。一枚一枚はそうでもないのですが、私の手持ちのカード(ごく一般的なものです)を順に入れていったところ、カードによっては最初は革を押しのけて広げながら、無理矢理押し込むような動作が必要でした。
ファスナー付きウォレットではないため、カードの不用意な脱落を防ぐためには、ある程度タイトである必要があるのかもしれませんが、もう少し、あと1ミリで良いのでポケットの横幅に余裕を持たせてくれたらなというのが、正直な感想です。頻繁に使用するカードは、比較的取り出しやすい一番上に挿入するなどの工夫も必要になるかもしれません。
さて、肝心のお札の収納ですが、お札入れが2つと、フラット(大型)ポケットが2つとなっています。ただ、この仕分けは便宜的なもので、実際にはどのポケットにもお札が気持ちよく収まります。
一つのポケットにお札10枚程度は余裕で収まりますので、必要十分な収納力と言えるでしょう。
また、一般的な長財布には大抵ついている「マチ」がこのウォレットにはありません。そのため、お札がマチの折り返しに当たってよれてしまったりするこがなく、お札はいつも綺麗に真っ直ぐ。新札を収納すれば、いつまでも綺麗な状態を保つことができそうです。
ここまで「薄さ」に徹底してこだわったウォレットはあまり類を見ず、確固とした個性を放っています。スーツフォルムを崩すことなく携帯できるというのは、見た目におしゃれなだけでなく、オーナーのライフスタイルそのものを反映するような気がします。
また小銭入れを取り払い、マチも取り払うことで、お札がむしろ綺麗にスッキリと携帯できるというのは少し新鮮でした。携帯する間に、せっかくの綺麗なお札の端が、マチやファスナーに当たって傷んでしまうのを避けたいという方は意外に多いのではないでしょうか。そんな方にも是非おすすめしてみたい一本です。
【総評】
イギリスの革ブランドとしては他にホワイトハウスコックスとグレンロイヤルがありますが、エッティンガーが一番格式が高く、しっかりとした革財布を作るブランドだと認識しています。
薄い財布をお探しの方にもきっと満足して頂けると思います。
設立年 | 1934年 |
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主な価格帯 | 長財布は58,300円~ |
年齢層 | 40代以上 |
製造地 | イギリス |
店舗情報
東京メトロ銀座駅から徒歩数分のところに、エッティンガーの唯一の直営店があります。間口の狭いこじんまりとしたお店なので、よく見て歩かないと見過ごしそうになります。
中は英国流の格式高い趣があります。それは財布も同じで、大人のおとこが持つべき財布だと感じさせられます。
銀座には他にココマイスターがありますし、有楽町の阪急メンズ館も徒歩圏内です。合わせて見てみると良い物に出会えるかもしれません。