今回はカジュアルなブランドとして若者に人気のあるポーターについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。
品質が良くて価格も手頃なので若い人の第一候補と言って良いブランドです。
PORTER(ポーター)は、国産の老舗カバンメーカー「株式会社 吉田」、通称吉田カバンの主力ブランドです。
12才で上野の老舗鞄工房の職人としての修行を積んだ創業者吉田吉蔵が、東京・神田須田町に吉田鞄製作所を設立したのは昭和10年のことです。その後、現在の社名である株式会社吉田への改組を経て、昭和37年に立ち上げられたのが「PORTER」ブランドになります。それまで「吉(きち)さんのところのカバン」と呼ばれていたカバンは、これを機に当時としては珍しかったカバンのプライベートブランドとしての地位を確立していきます。
現在の吉田カバンは「PORTER」だけでも数えられないほどのアイテムを揃え、他にも、「LUGGAGE LABEL」や「PORTER GIRL」など、若者からビジネスユースにまで、日本製鞄ブランドとして国内に広く浸透しています。
ブランド名となっている「PORTER」は、ホテル等でお客の鞄を運ぶポーターで、製品タグには制服を着たホテルのポーターがまさに鞄を運んでいる様子が描かれています。そしてメイドインジャパンにこだわる吉田カバンは、その製品を通じ、技術と信念を込めた「一針入魂」を社是に掲げます。
今回はPORTERのラインナップから、ロウ引き仕上げの上質なイタリア製レザーを使った長財布「PORTER WALL WALLET」についてレビューしてみたいと思います。
吉田カバン(株式会社吉田)の主力商標である「PORTER」は、国産カバンブランドとしてショルダーバッグからボストンバッグやビジネスバッグ、そして旅行用バッグまで数多くのラインナップを有しています。
素材的にもキャンバス生地のものから革製品までありますが、中でもPORTER WALLと銘打たれたシリーズには上質なイタリアンレザーを用いて、全体的に丸みを帯びた柔らかいデザインが特徴の財布やキーケースなどの革小物が揃います。ここで取り上げる同シリーズの長財布は、ロウ引き仕上げを外見上の特徴とした大きめボディーの一本。それでは、早速その内容を詳しく見ていきたいと思います。
まずは財布の外装ですが、「ロウ引き仕上げ」と言われる、白いまだら模様が霞のように全体にかかり、表面は滑らか且つ柔らかい仕上げになっています。
手で表面を撫でると、すーっと滑るような感触で、なかなか良い感じです。
使用されている革は、フランス産の牛革をベースとして、イタリアのタンナーで植物タンニン鞣しが施されたもの。
また、長手の両端が切り放しではなく、革を巻き込むようなラウンドフォルムになっているのが、ロウ引き仕上げと並んでデザイン上の特徴となっています。結果として、色さえ選べばレディース用としても良さそうな、柔らかい手触りと印象を得ています。
この財布を初めて手にした時、かなり大柄なのでスーツポケットには厳しいかな?というのが率直な印象でした。縦横の長さは通常の長財布とほぼ変わりませんが、厚みが相当にあるのです。実測してみたところ、財布が空の状態で3cmを超える厚みです。
例えば当サイトでもよく取り上げているココマイスターの場合、本稿のポーターウォレットとデザインが比較的似ている大柄タイプとして、ナポレオンカーフ・アレッジド・ウォレットがありますが、それでも厚みは空の状態では2.2cmです。
▼写真は右側が、ナポレオンカーフアレッジドウォレット
空で3cmを超えるとなると、カードなどの中身を入れた時に4cmにはなりそうですので、個人的にはスーツポケットに入れる気にはなりません。もちろん、これだけの厚みが生まれるのは収納力の高さ故の部分が大きいのですが、携帯するには別にカバンが必要となりそうです。
さてこれだけの厚みがある分、収納力はかなりの期待ができそうです。まずは財布を開くと、2つのファスナーがあることが目を惹きます。特に片方は大容量のL字ファスナーになっていて、開口すると中には更にポケットが設置されています。
このポケットはクレジットカードジャストサイズですので、免許証・身分証明書・健康保険証など、大切なカードを収納するのに良さそうです(3〜4枚程度収納可能)。カード入れとして使用しない場合には、小銭入れとして使うのも良いでしょう。
もうひとつのファスナーは、平型の小銭入れです。このタイプの小銭入れは、フォルムを薄く保つことが出来る反面、大きく開口するのが通常は難しいため、使い勝手が犠牲になることが多いのですが、このウォレットの場合は革が特別に柔らかく、問題を感じさせません。
お札収納部分も十分なスペースがあり、100万円程度の札束でもすっぽりと飲み込んでしまう収納力は秀逸と言えるでしょう。
また前述のL字ファスナー内部以外に、カードポケットが11、領収書などを収納可能な大型ポケットが2つ装備されています。このカードポケットの内、1つは、財布を開いた中央部分に設置されていて、出し入れがしやすいように切り込みが入っています。SUICAやデビットカードなど、買い物で必ず使うカード入れとして重宝しそうです。
一方、反対側に設えられた縦型のカードポケットは、カード挿入口が若干狭い上に、ポケットの入り口部分に段差が無いため、特に使用初期においては出し入れがしにくそうです。
また、お札入れ内部のカードポケット(4枚分)については、かなり薄手の合皮で出来ているようで、耐久性が心配です。
価格的には2万円台半ばの設定なので、合皮の使用も仕方ないかもしれませんが、上の2点は出来れば改善して欲しいところと感じます。
吉田カバンは、多くの旅行用カバンも手がけていますが、このPORTER WALL WALLETも、ビジネス用途というよりも、トラベルや、買い物用途に向いていそうです。
カラーも明るめのボルドーやナチュラル、ブルーなど軽めのものが揃っていますので、カジュアル感覚で持ってみたい一本と言えるでしょう。
ココマイスター、yuhaku、GANZO、土屋鞄などはブライドルレザーやコードバンなどの高級レザーを用いてシックに or クラシックに仕上げているのに対して、ポーターの革財布は牛革をカジュアルなデザインに仕上げています。
だからこそ価格も安く、若い人に受け入れられるのだと思います。当サイトでも高評価となりました。おすすめできるブランドです。
設立年 | 1962年 |
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主な価格帯 | 10,000円〜30,000円 |
年齢層 | 20代〜30代 |
製造地 | 日本 |
品質 | 高い |