【評価:85点】ヘルツ(HERZ)の解説と財布徹底レビュー

【評価:85点】ヘルツ(HERZ)の解説と財布徹底レビュー

今回は独自のレザーを使った特徴ある革製品を製造するヘルツについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。

 

 

オリジナルレザーを使った財布は好みが分かれるので「デザイン」の評価を低めにしました。

ヘルツの解説

1973年創業のHERZ(ヘルツ)は、革鞄を始めとして「永く使える」こだわりの革製品・革小物を産み出し続ける革鞄工房。名称のヘルツはドイツ語の「ハート(心)」に由来するそうですが、まさに心を込めた鞄造りを標榜する純国内工房です。

 

 

タンナーと共同で試作を繰り返し、植物タンニンによるなめし工程や染色工程を経て生まれる革は、天然の革の証であるトラやバラ傷などの個性と共に、ヘルツが理想とする丈夫なオリジナルレザーとなり、まさに素材からこだわった製品が実現しています。

 

一本一本を一人の職人が最初から最後まで手がけるというヘルツの特徴は、その代名詞とも言えるオリジナル・ラティーゴレザーを用いた鞄に見られるように、ぶ厚い革を太い糸で縫い、丈夫な金具を使った、力強さを感じるものです。

 

 

単に見た目のデザインの良さだけではなく、素材・部品選びを含んだデザインの一つ一つに意味があって、その全てはヘルツ製品を愛用する顧客に少しでも永く使ってほしいという願いに繋がっていると言えるでしょう。

 

またヘルツでは、下でレビューする「organ」というブランドも展開しています。こちらはイタリアの名門タンナーが生むミネルバ・ボックスという高級素材を主に用いており、ヘルツの精神はそのままに、ヘルツオリジナルレザーとは異なった素材感やデザインが楽しめるラインアップとなっています。

ヘルツの直営店

ヘルツは東京の本店とOrganの他に仙台・名古屋・大阪・博多に直営店があります。革製品の種類が豊富なので、革好きにはたまりません。

 

今回は本店のみを簡単にご紹介しますが、お店の雰囲気はどの店舗も同じなので参考になると思います。

 

東京の表参道駅から徒歩10分ぐらいの場所に本店があります。

 

▼店内には奥の工房で作られたと思われる革製品がズラリと並んでいました。ヘルツの革製品ってこんなにもたくさんの種類があるんですね。

 

 

財布や鞄だけでなく、遊び心のきいた小物類も非常に多いです。

 

▼本店で扱う革財布は当サイトでおすすめするような物とは違い、固くて分厚いヘルツのオリジナルレザーが使われていて、ちょっと方向性が違う印象です。

 

 

▼ただ、本店から徒歩5分の場所にある『Organ(オルガン)』では当ページでレビューした財布と同様にイタリアンレザーがメインで使われているため、個人的には親しみやすく、手にもよく馴染む感じがしました。

 

 

尚、卸はやっていませんので、ヘルツの財布が気になる方は直営店かネットの公式ストアでご覧下さい。

 

店舗情報を見てみる


ヘルツの財布徹底レビュー

ヘルツで一番売れているという「ファスナー長財布」(WL-58)。革好きに選ばれる、ヘルツらしさを感じられるアイテムです。

■ 素材

 

素材はオリジナルソフトレザーの「スターレ」を使用しています。生後2年以上の牡成牛であるステアハイドの中でも十分な厚みと強度があるものを厳選しているそう。表面はマットで優しい色合い。指で革の端をつまみあげるとしなやかな弾力があります。

 

表面にあるシボやシワ、キズなどは個性と捉え、それらを隠すことのない最低限の処理にとどめています。存在感のある厚い革がワイルドな雰囲気を持ち合わせており、奥深い濃厚な香りも印象的です。

 

ヘルツでは、注文が入ってから商品の製作を始める受注式。ひとりの職人が最初から最後まで責任をもって仕上げてくれます。自分のためだけに作られていると思うと、手元に届いたときの感動もひとしおです。

■ ステッチ

 

革が主役の財布にアクセントを加える太いステッチ。味のある革に負けないインパクトがあります。

 

硬い革に太い糸を通すためには縫い穴をしっかりと作っておく必要がありますが、この財布は糸の太さにひったりのサイズの縫い穴で難しい曲線のラインも美しく仕上げられています。

 

縫い穴と糸のサイズが合っていない財布は意外と多いもの。細い糸に対して縫い穴が大きすぎるというパターンは素人目線でも判別できます。

 

サイズが合わない縫い穴はそればかりが目立って見た目が悪い上に糸が切れやすく、革を傷付けてしまいます。40年以上製作を続けてきた革ブランドだからこそサイズや仕様のベストな答えが見つけられているのでしょう。

■ コバ処理

 

革の端の処理、コバ(木端)は薄めです。革の重なりもそのまま見えます。

 

このような箇所のコバ処理は一般的に2枚の革をひとつにまとめるように分厚く塗られることがほとんどです。なぜなら革の反りや毛羽立ちを防止し、すっきりとした見た目で見栄えが良くなるためです。

 

しかしコバが厚くなるほど縦に切れ目が入りやすくなり、この切れ目からコバがどんどん剥がれて取れていきます。この現象はどんなに高品質な材料を使用して作られたハイブランドであっても避けられません。良い状態、見栄えをキープしながら財布を使い続けたいと思うのであれば、コバのメンテナンスは必須になります。

 

財布はツマミ以外、バッグのハンドルのように革そのものを動かすことはないため、このコバの薄さの程度でも問題ないでしょう。革の反りはやや懸念されますが、公式通販サイトで紹介されている2年程度愛用された財布の経年変化では見られませんでした。

■ ツマミ

 

ファスナーのツマミには硬く厚い革がビスで取り付けられています。ファスナー金具の穴に革を直接通していないため、革を引っ張ってもツマミの圧力がかからないようになっています。革が千切れる心配は少ないでしょう。

 

ビスは革が回らないほど強く留めてあり、頑丈で持ちごたえがあります。なお、コインケースのファスナーのツマミも同じ仕様です。

■ ファスナー

 

ファスナーはYKK。外側は8号のゴールドで大きめです。この画像でも分かりますが、噛み合わせのエレメントは凸凹が見られ、ファスナーを動かすとガリガリと音が鳴ります。ファスナーが大きい分通常の使用で全く気になることはありませんが、今後サビが出てきた場合、引っかかりを感じることもあるでしょう。

 

YKKファスナーにはクオリティのランクがあります。エレメントがフラットな高品質ラインも存在しますが、レギュラータイプのファスナーより何倍も高くなります。財布の価格とファスナーの品質は比例するので、高品質ファスナーを採用している財布が欲しいと思うと10万円を超えてしまうことがほとんど。HERZのファスナーは価格に見合ったパーツが選ばれていると言えます。

■ マチ

 

マチは短めです。そのまま開くと間口が狭いですが、革が適度にしなるためスペック以上に大きく広がります。革の特性を生かした最低限の仕様です。

 

 

マチが短いと、内側に折り込まれる革の分量が減ります。そのおかげで収納力が増え、札の出し入れもスムーズです。また、財布全体の厚みも抑えられ外側に響きにくくなります。

■ 内側の仕様

 

財布に裏地はありません。収納スペースやコインケースの内側はソフトレザーの裏側のざらざらとした肌触りの素材感が堪能できます。革好きのツボをくすぐるポイントです。

 

 

しかし、裏地がないということはファスナーテープがむき出しです。そのため現金やカードを取り出す際に引っかかる可能性があります。

 

また、底部分にもファスナーテープの端がそのまましまい込まれフラットではありません。この部分は残念ながら使い勝手が劣るでしょう。

■ カードスロット

 

カード入れは8枚。男性が財布に入れるクレジットカードやポイントカードの平均保有枚数は9枚とのこと。現在はスマホアプリに移行しているサービスも増えているため、日常で必要なカードは十分に収納できます。

 

仕切りのステッチは表側と同じ太い糸が採用され、終点も返し縫いで補強されています。

 

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【総評】

ヘルツは店内に工房を設置して包み隠さずに製造しています。そして接客スタッフの対応もナチュラルで好感が持てます。

 

 

素敵な人達が作り上げる素敵なブランドであり、他に似たようなブランドは見当たりません。かなりオリジナリティが強いです。

 

財布は高くても3万円程度なので価格的にも親しみやすいブランドと言えます。

 

ヘルツ公式サイト