【評価:85点】ガンゾ(GANZO)の解説と財布徹底レビュー

【評価:85点】ガンゾ(GANZO)の解説と財布徹底レビュー

GANZO(ガンゾ)は歴史のあるブランドで業界からの信頼が非常に厚いです。質の高い革製品を適正な価格で販売しています。ネットだけではなく直営店と全国のデパートでも購入が可能です。

 

 

今回は日本を代表する革ブランドの一つであるGANZOについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。

GANZOの解説

国内外のタンナーから仕入れる厳選素材を、日本の職人技で形にしていく。そのシンプルなデザインと、日本製ならではの品質をミックスさせたコンセプトの「GANZO」は、多くの革財布マニアを魅了しています。

 

※ 本店 (東京・表参道)

 

ブランドとしてのGANZOが立ち上がったのは2001年と比較的最近ですが、実は皮革製品を扱う歴史は古く、1917年に東京日本橋に設立された「味岡順太郎商店」に端を発します。

 

皮革小物類の製造・卸・販売を目的として設立された同商店は、三越本店を始め、全国著名百貨店にその販路を拡大、1977年には日本橋蛎殻町に自社製造工場を設立するなど、長い発展の歴史を持っています。

 

GANZOブランドを立ち上げた現ディレクターの味岡(儀郎)氏は、元はイタリアン料理のシェフをされていた方で、イタリアで料理修行をする合間に、実家が革製品を扱っていた関係で現地の革製品工場を見て回り、経験を積まれたそうです。

 

※ 大阪店

 

ブランド名の「GANZO」も、イタリア語(フィレンツェ地方の方言)で「いいね!」というニュアンスのスラングで、同氏がその男っぽい響きにひかれて名付けたとのこと。GANZOの質実剛健とも言えるデザインによくマッチしているように思います。

 

表参道の本店の他、2014年には大阪店、2016年には六本木にも直営店をオープンしたGANZO。これからの展開が楽しみなブランドです。

 

今回は数あるラインアップの中から、「CORDOVAN (コードバン) ファスナー付き長財布」を購入してみましたので、早速レビューしてみたいと思います。

GANZOの財布徹底レビュー

ということで、ネットで「CORDOVAN (コードバン) ファスナー付き長財布」をポチリ。ほどなく自宅に小包が届けられました。コードバンは大好きな革なので、現在所有しているものとの比較も楽しみです。

 

今回注文したGANZOのコードバンは、輸入革ではなく、日本国内(姫路・新喜皮革)で作られる革とのことで、その点も楽しみです。(ちなみにGANZOでは、輸入コードバンの「シェルコードバン」と、この国内産コードバンの2種類が販売されています)

 

 

こちらが届いたダンボールから取り出した状態です。グレーの紙バッグに靴が入っているようななカーキ色の箱。箱を開けるとやはり靴を入れるような布製の巾着袋が現れました。このままではちょっと無骨な印象ですので、プレゼントにされる場合は無料ラッピングを利用すると良いと思います。

 

 

ただ、ラッピングはシールを貼ってしまうので、贈る前に自分で中身を確認したい場合は、自分で包むしかなさそうです。

 

ちなみに、このような「修理無料保証書」というカードも入っていました。1年保証で、金具・ホックの破損、糸のほつれ、ファスナー破損、接着のりの剥離などに対応してくれるみたいです。

 

■ 薄くスマートなフォルムと重厚感が同居

さていよいよ財布そのものですが、かなりスマートな造りになっています。箱を開けた瞬間、かなり薄い印象を受けましたが、カタログによると厚みはなんと1.8cmしかありません。自分でも実測してみたところ、手元の財布はちょうど2cmでしたが、いずれにしても最薄の部類と言えるでしょう。

 

これならスーツポケットに入れてもポケットが膨らむ心配はあまりなさそうですし、コードバンは一目見て高品質な財布だとわかりますので、ビジネスウォレットとして活躍してくれそうです。

 

 

一方で、この財布のコバ部分(サイド)を見てみると、外装のコードバンと内装のヌメ革が合わさって、かなり革の厚みが太く、重厚な印象を受けます。また、コバは少し赤みがかったような色で、フラットに美しく処理されています。

 

 

ちなみに「コードバン」と言うのは、馬の臀部からわずかに採取される貴重な皮を鞣したもので、繊維の目が細かく、しなやかな触感と強度を合わせ持った革です。

 

こちらは「CORDOVAN (コードバン) ファスナー付き長財布」の外装部分を拡大してみたもの。表面が一様で、キメが細いのがわかります。

 

■ プレーンで明るい内装と使いやすいカードポケット

財布を開くと、内装には明るい色のプレーンな牛革が使用されています。右上部分にはGANZOのロゴが大きく型押しされているのも良い感じです。

 

 

 

カードポケットは全部で10箇所。本体部分に4枚、蓋部分に4枚と、札入れの内部に2枚を収納できますので、用途によって収納の仕分けが可能です。

 

 

また、それぞれのカードポケットの出し入れが非常にスムーズなのも好印象です。革製品の場合、使用している内に延びるという前提で、キツ目に作ってあるものがありますが、カードの多くは頻繁に出し入れするものですので、スムーズである事がやはり重要だと思います。

 

 

また、一番端のカードポケットは、少し波型になっていて、カードの確認と出し入れが更に行いやすくなっています。ちょっとした事なのですが、この切れ込みがあるおかげで、似たようなカードも迷わずに選別できそうです。実際に使い手の事を考えた造りだと思います。

 

■ コンパクトな札入れと小銭入れ

肝心の財布としての機能ですが、こちらは秀逸なカードポケットに比べると、「普通」な感じです。まず小銭入れから見てみると、薄く作ることが優先された設計ですので、マチなどはなく、革も硬めですのであまり大きく広げることは出来ません。端の奥の方に挟まった1円玉などは、取り出すのにかなり苦労します。

 

実際にやってみると、何度やっても奥の角に入った1円玉を取り出すのに10秒以上かかってしまいました。

 

 

ただ、小銭入れに使われているファスナーは非常にスムーズで、持ち手部分も革製にするなどこだわりが見られます。デザインや開閉そのものは良いと思います。

 

 

次に札入れですが、こちらは財布全体のサイズとも関係するのですが、少々浅く出来ているようです。10万円程度までなら特に気にならないのですが、それ以上になってくるとお札の端が飛び出してきてしまいます。また、マチも狭めとなっています。

 

写真は左がココマイスターのマイスターコードバン・ハイフライヤーで、9.3x19x2.3cm。右が今回の財布で9.0x19x1.8cm。

 

 

それぞれに20万円相当の紙幣を入れたところ、GANZOではお札の上側が見えています。これ以上の枚数になると、この傾向はより顕著になります。

■ カードを中心にスマートに使うウォレット

全体的なコンセプトとして、カードをスマートに使用して、現金はあまり持ち歩かないようなビジネスマン向けのウォレットだと感じます。

 

 

その前提であれば、高級感に溢れる見た目と、ポケットのフォルムやスーツシルエットを崩さない持ち運び、そしてカードでのスムーズな会計という、洗練された使用感が得られそうです。

 

※価格:税込み59,400円

 

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GANZOで一番売れている財布です。

【総評】

財布はオーソドックスな物が多く、昔からあるようなデザインだなという印象が拭えません。新興ブランドにデザイン性で見劣りする点があるのも確かです。

 

その点で「デザイン」の評価を少し下げました。

 

 

しかし革製品全体の品質は非常に高いですし、日本を代表する革ブランドと言って間違いありません。

 

GANZO公式サイト