全体的なバランスは良くありませんが、薄い長財布が欲しい方にはおすすめできます。
というわけで今回は薄い長財布好きに人気があるファーロについて詳しく解説し、財布のレビューもしてみたいと思います。
ファーロの解説
定番のトートバッグから小物類まで、多くの革製品をラインナップに揃えるFAROは、「スタイリッシュ」という言葉がぴったりなブランドと言えると思います。
例えば下でも詳しくご紹介しますが、ファーロウォレットの真骨頂とも言えそうな「SPERIO FIN-CALF」などは、長財布としては究極の薄さを実現しています。もちろん小銭入れやカードポケットを廃して、単機能の札入れなどに絞った製品で同様の薄さを実現したものは他ブランドにもありますが、長財布に求められる全機能を保ったままここまでの薄さというのは、あまりお目にかかったことがありません。
また、FAROの長財布は、クロコダイルやリザード(とかげ)革のものを除くと、概ね2~3万円の価格帯に収まっています。これは他ブランドと比べたときに、価格を安く抑えているというのではなく、「スタイリッシュ」であることを信条に無駄を削ぎ落とした結果、価格も求めやすいものとなったと言う方が適切でしょう。
それほどにFAROのウォレットは、無駄が削ぎ落とされているのです。ちなみにFARO自信によって、そのPHILOSOPHYは次のように説明されています。
「贅を尽くすのではなく、質を研ぎ澄ますことで、佇まいはより美しく映え、永く丁寧に使えるものになる。」
まさにその言葉が実現されているブランドだと思います。
ファーロの財布徹底レビュー
FARO自らが、「機能美とデザインが高いレベルで融合したファーロの代表作」と謳うスペリオフィンカーフ。その圧倒的な「薄さ」はどのようにして得られるのか、薄さを追求した結果財布としての機能に問題は無いのか、などを中心に、詳しく見てみたいと思います。
外装に使用されているのはカーフレザー。カーフレザーは一般的に、生後6ヶ月以内の仔牛の皮から得られるもので、傷が少なく、キメ細かい繊維質であることを特徴とする皮革です。
ウォレットを構成する一枚一枚のパーツは、薄さ0.4mmのカーフを両面が銀面(表面)になるように張り合わせたもので、手元のノギスで計測してみてもその厚みは1mm以下に抑えられています。このように貼り合わせられたパーツには1mmでもコシと張りが生まれ、全体的な財布の薄さと強度の両立を可能にしています。
表面には細かく不規則な格子状のシボがあり、多少ラフに扱って傷がついても、目立ちにくくしてくれます。
財布の最も厚みのある部分(小銭入れのファスナーを挟んだ部分)を計測したところ、1.3mm。それ以外のところはなんと0.7~0.8mmの薄さです(革同士を密着させた状態で計測)。この薄さにして、お札入れ(2ヶ所)、小銭入れ(しかもファスナー付き)、カードポケット(6枚)のフル装備ウォレットというのが驚きです。
重量も実測値で約90gと100gを大きく下回る軽さを実現しており、ビジネス用途で考えたときに、スーツフォルムを最も崩さないフル装備ウォレットだと言えるでしょう。
更に驚きなのは、この薄さを実現しながら、内蔵の小銭入れには「ファスナー」と「マチ」が付いているということです。流石に小銭入れのマチは約1cmと、決して大きな開口部ではないのですが、それでもマチが無いのに比べると、機能性は雲泥の差です。
お札入れは左右に一箇所ずつ。マチはなく、単純なスリップイン式のお札入れですが、通常利用では十分な収納力があります。マチがないため、新札などを収納してもキレイなまま持ち運びができ、多くの場合はマチ付きよりも実用的とさえ言えるかもしれません。片方をお札入れ、もう片方をレシートやカードポケットの予備として使用するのも、もちろんOK。現実的にはそのような使い分けとなるケースが多いのではないかと思います。
カードポケットは6枚分です。かなり数が少ないので、厳選したカードのみを持ち歩くイメージとなりそうです。一番手前下側のポケットは、前面に大きめの切れ込みがあります。細かい点ですが、これによって、日々必ず使用するカードをストレスなく出し入れすることができます。
2018年8月現在、価格は38,880円(税込)、カラーバリエーションはブラック・ネイビー・ダークブラウンの3色です。ちなみにFAROの公式オンラインサイトでは、現在スペリオフィンカーフがバッグを含む全商品の中で3位の人気商品となっています(バッグを除くと1位)。小銭入れのマチ、カードポケットの前面切れ込みなど、実用性にもきちんと配慮しつつ、薄さを追求したビジネスウォレットの一つの完成形とも言えそうです。
尚、ここまでほぼ肯定的なことばかりを書いてきましたが、唯一欠点的なところを挙げるとすれば、「特別な高級感は感じない」といったところでしょうか。あくまで感覚的なものですし、参考程度にして頂ければと思いますが、このウォレットの真髄は「高級感」ではなく「削ぎ落とした機能性の追求」ですので、購入される場合は、その当たりを念頭においておけば間違いはないでしょう。
総評
ファーロ全体としてはそれほど評価は高くないですが、薄い長財布を買うとしたらファーロか博庵がおすすめです。