【ソメスサドル】ブライドルレザー長財布・魂のレビュー

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ソメスサドルについて

札幌から北へ約90km、旭川との中間に歌志内(うたしない)という市があります。かつて炭鉱で栄えたこの街は、現在では日本一人口の少ない市となってしまいましたが、往時は年間約70万トンの石炭生産量を誇り、1950年頃には5万人に迫る人口を誇りました。その後石炭産業が陰りを見せ始める中、新たな企業誘致策として、1964年、北海道開拓を支えてきた馬に用いる馬具造り技術を継承する職人が集まり、ソメスサドルは生まれました。

 

 

「世界の頂点に立つような馬具を制作する」

 

ソメスサドルの名称は、SOMMET(頂点)+SADDLE(鞍)から成り、まさにこの精神を象徴するものです。

 

武豊氏を始め国内外の騎手の鞍を造り、宮内庁に馬車具を納入するソメスサドルは、創業以来ハンドメイドにこだわり、まさに本物の馬具・革製品を生み出す、日本が誇る馬具屋と言えます。

 

 

現在では生誕の地・歌志内にほど近い砂川市に拠点を構え、雄大な自然に囲まれた環境の中で、馬具に留まらず、メンズ/レディースバッグや革小物など、多彩な革製品の企画・製造から修理までを手がけ、全国・世界に向けてその製品を送り出しています。

ブライドルレザー長財布(GB 束入れ)レビュー

北海道開拓を担った馬のための「馬具」造りで培った革技術を原点とする「ソメス・サドル」では、多くの長財布や、二つ折り財布、キーケース、名刺入れなどの革小物も揃えています。

 

 

馬蹄型のコインケースなどは馬具屋としての出自を想い起こさせてくれる小物ですが、ここでは、「馬具用革」として有名なブライドルレザーを用いた「束入れ」を入手してみました。馬具屋の真骨頂が現れた財布となっているでしょうか。早速レビューしてみたいと思います。

ブライドルレザーの証「ブルーム」の美しい外装

このウォレットは、外装・本体にブライドルレザー、内装にバッファローレザーを採用した「GB束入れ」という一本です。色は、「ブラック」「ダークグリーン」「キャメル」の3色から選択可能ですが、明るめの「キャメル」を選びました。

 

「SOMES」の金の箔押しが施された赤い箱を明け、不織布にくるまれた本体を取り出すと、明るいブラウン系の外装にブライドルレザー独特の「ブルーム」が霞のようにかかった外装がまず目につきます。

 

 

またブルームの下の本体は、これから長い相棒となってくれそうな艶をたたえています。

 

 

ブライドルレザーは、植物タンニンで鞣(なめ)した革にロウを染み込ませることで、通常よりも強度や耐久性が得られるように工夫されたものです。この霞のような白い粉「ブルーム」は、そのロウが表面に浮き出たもの。

 

 

馬具の中でも、頭頂部の轡(くつわ)につながる革紐などに多く用いられるブライドルレザーは、強度はもちろんのこと、馬に人の意思を伝えるための柔軟性や、馬を傷つけないしなやかさも求められます。

 

 

初めてこの「ブルーム」を目にした人は、「美しい」というよりも、粉が浮いていることに違和感を覚えるかもしれませんが、この束入れには「本製品をご使用になる前に」と書かれた小さな2つ折りの紙片が付いていました。それを読むと、この粉がブライドルレザー特有のものであることや、その由来、メンテナンス方法について一通り書かれていますので、プレゼントなどにする場合も安心です。

 

 

ちなみにこの粉は、乾いた布で綺麗に拭き取ってしまうことも可能ですが、使用する内に自然に独特の艶へと変化していきますので、ブライドルレザー独特の味わいとしてそのまま楽しまれることをお薦めします。

 

「束入れ」としてのシンプルなデザイン

このウォレットの名称となっている「束入れ」というのは、主にお札を持ち運ぶ目的で作られたもので、小銭入れなどが付かない分、全体的にシンプル&軽快な構造になっているのが一般的です。

 

このGB束入れも非常にシンプルな構造なのですが、実際に手に取ってみると、よく練られた、熟練のデザインであることが感じられます。

 

 

まず、こちらは何も考えずに100万円相当の札束を入れてみたところです。本体は厚みが実測2.2cm程。札束のマチ部分は「通しマチ」(マチが上から下まで均一に付いていて札束など厚みのあるものを入れるのに適したもの)にはなっておらず、本体下端が優しいラウンドフォルムになっていることもあり、見た目的には厚みのある束はとても入りそうにないのですが、予想を裏切りすっぽりと楽に収納してしまいました。

 

 

改めてよく財布を見てみると、上蓋にあたる部分の長さ(財布を上正面から見た時のフタ部分の縦幅)が通常のこのタイプの長財布に比べて余裕を持たせてあるように感じます。このおかげで束を入れて蓋を閉めた時にも、窮屈な半開き状態とならず、札束を収納しても非常に美しい状態のフォルムを保っています。

 

(写真は紙幣100枚相当を入れて蓋を閉じたところ)

 

気持ちよく使えるカードポケット。全てに余裕のある造り

次にカード収納ですが、財布を開くと横向きに6つ、縦向きに8つのカードポケットがあります。何の変哲もないごく一般的な配置で、特に縦型の方は、革に切れ込みを入れただけのものですので、最初は使い勝手も大した期待をしていなかったのですが、束入れ部分同様、こちらも予想を大きく上回る使い勝手に仕上がっていました。

 

 

まず横向きの6つのポケットですが、カードを入れた状態で約3ミリほどの余裕を持たせてあり、出し入れが非常にスムーズです。挿入した状態でカードが確認できる切れ込みなど、デザイン上の工夫は特にないのですが、このスムーズさであれば多少カードを抜き差ししてもストレスなく使用できそうです。

 

 

縦向きの8つは、上述のように革の表面にカード幅分の切れ込みを入れたシンプル仕様で、このタイプのものは財布の薄さを確保できるメリットがある一方、出し入れがしづらいことあります。

 

 

カードを挿入してみると、かなりポケットが深く、上端7ミリほどを残してすっぽりと入ってしまうため、カードの視認性もあまりよくありません。

 

 

ところが、一度入れたカードを抜き出してみたところびっくり。これが非常にスムーズなのです。これは横ポケットの倍以上確保された切れ込みの余裕(約7ミリ)に加えて、内装部分に適用されているバッファローレザーの特性によるところもあるのかもしれません。

 

 

ちなみにこのバッファローレザーは、名前から想像するとなんだか硬そうなイメージですが、適度なシボ感をもたせた柔らかい造りで、色合いや手触りとしてもちょっとしたアクセントになっています。

 

カードポケット以外の機能としては、札入れと同じ長さの大型ポケットが財布の内側と外側に1つずつ、計2つ。

 

 

また、見えない部分には随所に布が使用されています。この辺りは価格とのトレードオフと言えるかもしれませんが、小銭のような硬い金属でこすられる事がない分、耐久性にもあまり問題がなさそうな気がします。

 

 

全体としてこの財布は、非常に使い勝手の良い「束入れ&カード入れ」に仕上がっており、もし小銭入れを別に持つつもりがあれば、選択肢の一つに是非加えたい一本だと思います。

 

 

見た目のシンプルさの裏にある本当の使いやすさは、縫製や革製品造りの技術だけでなく、使う人の立場に立った試行錯誤が加えられた賜物ではないかと感じさせてくれる一本でした。

 

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価格 21,600円
レザー

ブライドルレザー

縫製地 日本