【長財布マニア】国産革財布

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ココマイスター・土屋鞄・GANZO・万双を徹底比較

 

財布や鞄など、一般的に革製品の「ブランド」としてまず思い浮かぶのは、海外高級&有名ブランドかもしれません。これに対して、本比較レビューで取り上げるのは、全て国内ブランドです。一律に「ブランド」というのも実は語弊があって、万双(まんそう)などは、ブランドという呼称そのものを否定していたりします。

 

実はこのことは、海外・国内ブランドの根本的な違いを表しているような気がします。大雑把に言うと、日本に入ってくる海外の高級ブランド製品は、「イメージ」を含むブランド価値を高めることで所有者に満足感を与えるのに対して、国内ブランドは、より「製品の質」に力を注いでいるように思います。

 

特に、管理人を含め、一般の人が購入しようと思うような10万円以内の価格帯においては(それでもやはり革製品は高いですが)、海外高級ブランド品といってもその製造国は中国やアジアであることも多く見られます。デザインは自国、製造は人件費の安い他国というのは、財布・革製品に関わらず、衣服から工業製品に至るまであらゆる産業に見られることで、一概に悪いということではありませんが、本稿で取り上げる「国産・MADE in Japan」革財布ブランドに限っては、今のところこのような事はありません。

■国産ブランドは良いことづくめ 〜 国産ブランド共通で言えること

 

一括りに国産ブランドと言っても様々なメーカーがありますが、ここに取り上げたようなメーカーについては、次のような共通点があります。

  • 主に欧州を中心とした海外タンナーから伝統技法による革を仕入れる(一部国産の革も使用されます)
  • 日本の熟練職人の手で国内工房で製造し、縫製や仕上げが美しく丈夫。
  • 価格帯としては3〜5万円ランクでも最高の品質のものが手に入る。

また使用される革は、牛革や馬革(コードバン)が主ですが、昔ながらの伝統製法で手間暇のかかるタンニン鞣しが施されたものが多く、長期の使用で革らしい経年変化が見られるのも特徴と言えるでしょう。

 

そんな国産ブランドも、嬉しいことに近年数が増え、それぞれが新作を発表するので、選択肢の幅もぐんと拡がってきました。少々前置きが長くなりましたが、それでは各ブランドについて詳しく見ていきましょう。

日本を代表する革ブランド5選

■ココマイスター(COCO MEISTER)

 

◆ブランドコンセプト:欧州の革文化と日本の熟練職人の技が調和

 

◆管理人一言コメント:財布を選ぶワクワク感が満載。価格もリーゾナブルで品質も◎

 

2009年設立と、最も歴史の浅いブランドながら、急成長を遂げている勢いのあるブランドと言っても良いでしょう。直営の実店舗は、銀座の2店舗に加え、東京、名古屋、大阪、神戸とバランスよく既に6店舗を構え、これにWEBを最大限に利用した「イメージ戦略」「大きめの画像を多用した必要十分な商品説明」と「商品の確かさ」で、急速にファンを広げています。

 

また他ブランドに比べて、各商品のコンセプトがはっきりしているのも特筆に値します。WEBサイトでは、シリーズの開発意図、利用シーン、素材やタンナーについての説明、歴史的背景などが、専属モデルの画像やイラスト付きで語られていて、ユーザーをその世界観に引きずり込む巧みさと、WEBを通じた販売戦略が奏功していると言えそうです。

 

 

【 長所 】

  • WEBが秀逸で購入前のイメージが湧きやすい。
  • 各シリーズのカラーバリエーションが豊富。
  • 毎年数シリーズのペースで、新商品を発表。
  • ブラウンの張り箱にロゴ入りリボンのパッケージはそのままギフト利用可能。
  • 売れ筋のブライドルレザー+ヌメ革のシリーズ(ブライドルグランドウォレット)などは、税込3万円台前半。同じ材質で見たときに5ブランド中もっとも低価格。
  • 総勢100名を超えるという日本の熟練職人。
  • 直販に絞ることで、「少量生産の素材を採用し続ける」ことを可能に。

 

【 短所 】

  • 徐々に5万円〜10万円内外の、高額価格帯商品が増加中(短所とは言い切れませんが)
  • どちらかというと、今のところ男性向け専用に近いラインアップ中心。
  • WEBを最大限に活用するマーケティング手法に賛否あり。

 

 

【 DATA 】

  • URL:http://cocomeister.jp
  • 実店舗:直営6店舗(銀座並木通り、銀座一丁目、自由が丘、大阪心斎橋、名古屋、神戸)
  • WEB販売:あり
  • 百貨店等:取扱無し
  • 運営会社:株式会社ルアンジュ(東京都港区)

 

ココマイスター公式ストア

■土屋鞄製造所

 

◆ブランドコンセプト:人の手のあたたかさの中で、うまれて、生きる鞄を。

 

◆管理人一言コメント:創業50年を超える歴史に裏打ちされた信頼と洗練されたデザイン

 

創業は1965年。ランドセルメーカーとしてスタートしたブランドです。国産革製品ブランドとしては老舗で歴史に裏打ちされた信頼性があると同時に、時代をリードするような斬新なイメージを合わせ持ちます。但し、決して繊細な感じではなく、例えば代表的なコードバン長財布でみると、分厚い革とシンプルなデザインは、「質実剛健」といった印象です。また、ユニークながま口財布を始めとして、男女両方に向けた製品ラインアップを持つのも大きな特徴でしょう。

 

関東から九州(福岡)まで、今回取り上げる中で最多の11の直営店舗を展開。先日は神戸店の方に行ってみましたが、明るく、洗練されて落ち着いた店内は、日本を代表する革製品ブランドに相応しいものでした。

 

 

【 長所 】

  • 「大人ランドセル」に代表される、新旧をブレンドしたようなデザイン性。
  • ユニセックス・メンズ・レディーズが揃い、男女で楽しめる。
  • 関東以西、名古屋、大阪、神戸、福岡までカバーする直営店舗網。
  • 特に鞄の種類が豊富。

 

【 短所 】

  • 長財布に限ると選択肢が少ない。

 

土屋鞄公式ストア

■GANZO

 

◆ブランドコンセプト:日本の職人による最高級のメンズ革製品

 

◆管理人一言コメント:男の道具を感じさせるハイエンド革財布

 

GANZOブランドが立ち上がったのは2001年ですが、母体となる運営会社のAJIOKAは1917年創業の皮革小物類の製造卸を行う味岡順太郎商店から始まる老舗。全国百貨店に加えて、表参道・六本木・大阪に直営3店舗も展開しています。

 

ブランド名の「GANZO」は、イタリア料理のシェフをしていた代表が「いいね」を意味するイタリアのスラングから名付けたそうです。男っぽい名称はそのまま製品にも現れており、質実剛健な仕事道具を洗練されたフォルムにまとめ上げたような印象です。

 

「素材選びからなめし、革の裁断・漉き(すき)・縫製、そして磨きといった工程に至るまで、いっさい妥協することなく“本物”を追求した最高級ライン」と自ら謳う製品は、クロコダイルやリザードなどの希少皮革もラインアップに取り入れ、価格的にもハイエンドなものとなっています。

 

 

【 長所 】

  • 価格相応に高級感に溢れた見た目、仕上げ。
  • スマートなビジネスマンを演出する洗練されたフォルム。

 

【 短所 】

  • 他ブランドに比べて頭一つ抜けた価格帯。
  • 女性向けラインアップは無し。

 

GANZO公式ストア

■万双(まんそう)

 

◆ブランドコンセプト:「世界最高峰の品質」と「常識的な価格」

 

◆管理人一言コメント:利益よりも顧客満足度を優先させる職人気質

 

1995年設立の万双は、「創業以来、適正な品質の鞄を適正な価格でお客様にお届けすることを信条」とするとの言葉が、上辺だけではないと感じさせるメーカーです。それが最も端的に現れているのがやはり価格で、他の国産ブランドと同一クラス/品質の財布を比べると、かなり抑えたものになっています。

 

実例を挙げると、例えば国産他ブランドで5〜6万円クラスのコードバン長財布が万双では4万円ちょっと。4〜5万円クラスのブライドルレザー長財布が万双では3万円台半ばといった感じです。

 

この低価格を実現しているのが「直販」に限定した販売方法(卸を行うとどうしてもマージン分を定価に上乗せする必要が出るため)と、無駄な広告宣伝・販促費用を省いてその分価格を下げるというスタンスでしょう。

 

ちなみに万双は、商品にさえ自社のロゴを刻印していません。これは「お客様の手元にわたった時点でその鞄はお客様のもの。」「人様の鞄に自分のところの名前が入っているのがおかしいと思うから」という理由によるものだそうです。

 

一方、デザイン的には、多くの財布に採用されている白く太いスティッチラインがとても印象的です。長財布に限って見ると商品の種類はそれほど多くないものの、カラーバリエーションも比較的多く、万双独自の国産皮革やクロコダイル革が用意されているなど、好みの一本が見つかれば、きっと満足感が得られると思います。

 

 

【 長所 】

  • 他ブランドと比べると低く抑えられた価格。
  • 独特のスティッチラインと、質実剛健な造り。
  • 万双独自の国産皮革「双鞣和地(そうなめしわじ)」あり。

 

【 短所 】

  • 直営店舗が上野と神戸にしかなく、百貨店などへの展開もない為、実物を手に取ってみることが難しい。

 

万双公式ストア

■キプリス

 

◆ブランドコンセプト:「こだわり」を仕立てる。

 

◆管理人一言コメント:多シリーズ展開と伝統手法へのこだわり。

 

1995年設立のキプリスは、国内他ブランドとは少々路線を異にするブランドです。その主な違いは、運営会社であるモルフォの下、キプリスを中心とした複数ブランドの同時展開と、直販を一切行わず百貨店を中心とした全国展開を行うという販売手法にあります。

 

商品ラインアップの特徴としては、メンズ・レディースの別に加えて多くのシリーズ展開があり、なかなか全容を把握するのが難しいほどです。また、「漆(うるし)」シリーズや「極(きわみ)」シリーズ、「北斎模様」など、「日本」の伝統と、レザー製品の融合といった試みも多く行われています。

 

 

【 長所 】

  • 豊富な種類。シリーズ、多様な皮革を使用。
  • メンズ・レディース両方に対応

 

【 短所 】

  • 直営店が無く、全ての商品を見ることの出来る場所やカタログが存在しない。
  • 直営店や洗練されたWEBショップが無いため、ブランドのイメージが湧きにくく、愛着も持ちにくい。

 

 

キプリス公式ストア

まとめ

ここに挙げた以外にも、個人工房のようなものも含めれば、国産革ブランドは数多く存在すると思います。革製品の販売に力を入れている百貨店などでは、そういった小ブランドを特設コーナーで紹介したりするイベントが行われていたりするので、自分のお気に入りブランドを「発掘」するのも楽しいかもしれませんね。