【ヘルツ】Organのラウンドファスナー長財布・魂のレビュー

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ヘルツについて

1973年創業のHERZ(ヘルツ)は、革鞄を始めとして「永く使える」こだわりの革製品・革小物を産み出し続ける革鞄工房。名称のヘルツはドイツ語の「ハート(心)」に由来するそうですが、まさに心を込めた鞄造りを標榜する純国内工房です。

 

 

タンナーと共同で試作を繰り返し、植物タンニンによるなめし工程や染色工程を経て生まれる革は、天然の革の証であるトラやバラ傷などの個性と共に、ヘルツが理想とする丈夫なオリジナルレザーとなり、まさに素材からこだわった製品が実現しています。

 

一本一本を一人の職人が最初から最後まで手がけるというヘルツの特徴は、その代名詞とも言えるオリジナル・ラティーゴレザーを用いた鞄に見られるように、ぶ厚い革を太い糸で縫い、丈夫な金具を使った、力強さを感じるものです。

 

 

単に見た目のデザインの良さだけではなく、素材・部品選びを含んだデザインの一つ一つに意味があって、その全てはヘルツ製品を愛用する顧客に少しでも永く使ってほしいという願いに繋がっていると言えるでしょう。

 

またヘルツでは、別項でレビューする「organ」というブランドも展開しています。こちらはイタリアの名門タンナーが生むミネルバ・ボックスという高級素材を主に用いており、ヘルツの精神はそのままに、ヘルツオリジナルレザーとは異なった素材感やデザインが楽しめるラインアップとなっています。

Organダブルラウンドファスナー長財布(GS-52)レビュー

分厚いオリジナルレザーにこだわり、丈夫なパーツや力強いスティッチラインが特徴の国内鞄工房HERZ(ヘルツ)が、素材感の異なるイタリア産高級レザーを用いて展開する「Organ(オルガン)」。質実剛健なイメージのあるHERZ製品の中で、柔らかで自然に手に馴染むような風合いを持ち、使う人に寄り添う「道具」を、素材とブランドを分けて形にしたものと言えるでしょう。

 

 

本レビューで取り上げる長財布(GS-52)は、独特のシボ感を持つイタリアンレザー、ミネルバ・ボックスを用いている事以外にも、通帳も入るゆったりサイズや、ダブルファスナーの二重構造など、他の財布ではあまりみかけない多くの特徴を持った一本です。

 

ただ文末に掲げたようにファスナー構造に問題があり、改善を要する点は冒頭で指摘しておきたいと思います。

完全受注生産

さて、HERZ・Organ製品についてまず初めに注意しなければならないのは、完全受注生産であるということです。注文を受けてから一つ一つを、一人の担当者が手造りで作るため、通常7〜8週間もの時間がかると公式サイトには明記されています。これは素材となる革の在庫状況によって大きく左右されるようで、今回はその約半分ほど(約1ヶ月)で手元に届きました。

 

 

それでも随分待ちましたので期待に胸を踊らせながら開梱しました。小箱を開けると、紙とビニール袋で無造作にくるまれた状態で、外箱などはなく、オマケのような革の切れ端が付いていました。これには正直ちょっとがっかりさせられてしまいました。

 

確か注文時にラッピングを選択することもできなかったように思いますが、プレゼント用途の場合は、一旦自宅に送ってもらった方が良さそうです。この他に入っていたのは、革の注意書きが書かれた小さな紙片が一つでした。

 

手触りの良い柔らかなミネルバ・ボックス

このウォレットは、内外装ともに、イタリアの名門タンナー「バダラッシィ・カルロ」社の手によるミネルバボックスという皮革を使用しています。色は3色から選べましたが、注文したのは「アンバー」という明るいナチュラル系ブラウンです。(他により濃色のカスターニョと黒が選択可能です)

 

 

ご覧の通り、細いシボ模様が浮き出て、革らしいマットな風合いと、柔らかい触感を生んでいます。手に持つと、全体として「くたっ」とした印象を受けます。ブライドルレザーやコードバンのように、表面が硬質で光沢感のある財布とは対照的で、大きなL字型ラウンドファスナーと相まって、カジュアル感あふれるデザインです。

 

 

ただ、送られてきたGS-52は、最初から外装に引っかき傷がついてしまっていました。。

 

 

公式サイトの注文画面には「革に余計な表面加工をしていないため、キズや皺、使っていく中での色移りもございます。」といった注意書きはあるのですが、革本来の自然の傷ではなく、このような明らかに工房で後からつく傷については、極力無いようにして欲しいものだと思います。

 

ちなみに「ミネルバボックス」と言えば、当サイトでも多く取り上げているココマイスターの「マルティーニ」シリーズでも使用されています。(写真右)

 

 

ビジネスにも、休日にも使用できる「マルティーニ」と比較してみると、「Organ GS52」はより「オフ」色の濃いウォレットと言えそうです。

通帳も楽に収納できる大判サイズながら厚みは1.5cm

さて、デザイン的な特徴にもなっているL字ファスナーを開くと、財布の口を大きく開くことが出来ます。通常の長財布は、お札の大きさに合わせて、財布の長手も19cm程度のものが多いのですが、このウォレットは複数の通帳も楽に収納できる大型サイズ(21cmx11cm)になっています。

 

 

また裏地が無く、一枚革の裏表をそのまま財布の内外装として使っていることもあり、非常に薄手に仕上がっており、厚みは1.5cmほどしかありません。中身が空の状態だとファスナー上端部では1cmにも満たないほどで、一般的な長財布(2〜3cm)と比べてかなり薄くなっています。

 

ユニークなダブルファスナー

ウォレットの中にある、もう一つのL字ファスナーを開くと大きな小銭入れが出現します。柔らかい材質のミネルバ・ボックスと合わせ、左右に広く開口することが出来るため、小銭の選択・取り出しも楽です。

 

 

小銭入れ部分の外側両サイドは、カードポケットになっており、左右それぞれに4枚、計8枚のカードが収納できます。

 

ファスナー構造に重大な問題あり

最後になりましたが問題点をいくつか。この小銭入れ部分は下側が縫い付けられているのではなく、外装のファスナーの端に結び付けられるような構造になっています。このファスナーの切れ端に糊(粘着テープ)がついていて、本来どこかに固定されているようなのですが、その糊がむき出しになってベタついてしまっていました。

 

 

更に、この外装のファスナーの切れ端を内部に引き込んでいる構造が大問題で、外側のファスナーを限界まで開いた状態(と言っても無理やりではなく、普通に端まで開いただけです)で財布の口を左右に開けると、なんとファスナーが角に引っ掛かって(ファスナー部が直角に近い形となった状態で左右に引っ張られるため)締まらなくなってしまいます。

 

 

大容量でありながら1.5cmの超薄型は、他に比較可能な財布がなかなか見当たらない、ユニークな一本で、メンズ・レディースの垣根なく使用ができる点も面白いのですが、このファスナーは大問題だと思います。最終的には、巻き込んだファスナーの切れ端を引っ張り出して、できるだけファスナーが直線状態になるようにした上でなんとか締めることはできましたが、もし外出先でこれが起こったらと思うと、とても財布自体を使う気になれません。大いに改善が待たれます。

 

 

公式ページを見てみる

 

価格 26,352円
レザー

ミネルバボックス

縫製地 日本