【キプリス】コードバン長財布・魂のレビュー

MENU

キプリスについて

キプリスは、様々なスタイルの革小物などを展開する株式会社モルフォの中核ブランドで、メンズとレディスに大きく分かれています。メンズ財布では、ブランド開始当初から20年以上使い続けている定番素材「コードバン」や、クロコダイル、ピッグスキン、鹿革、キップなど、他社であまり見かけないような素材を含め、様々なラインアップを揃えています。また女性向けでは、明るい優しいカラーのバッグなどが豊富に揃っています。

 

ブランド名の「キプリス」は中米・南米北部に分布する蝶で、社名「モルフォ」は「キプリス」を含む80種ほどの大型蝶の属名(「美しい」という意味のギリシャ語に由来)だそうです。ブルーの羽を持ち全長120mmに達するキプリス・モルフォは、世界でも最も美しい蝶の一つに数えられ、翻って「一生愛せる本質的価値のあるものづくり」という基本理念を表象しています。

 

キプリス製品を手がける工房には、日本全国に十数名しかいない革小物の技術認定試験1級合格者の約半数が在籍しているとのこと。ベテラン技術者を筆頭に若い職人さんまでが多く集う工房では、「菊寄せ」「風琴マチ」など日本の伝統的な技法「袋もの仕立て」などを受け継ぎながら、様々な製品を生み出しています。

 

今回は、上でも触れた定番素材「コードバン」を用いた長財布を実際に購入して、レビューを行ってみたいと思います。

コードバン長財布・魂のレビュー

『長財布(小銭入れ付き通しマチ束入)新コードバン&ベジタブルタンニン』

 

随分と財布の名称が長くなっていますが、財布の形と特徴をそのまま表したものになっています。キプリスの同種の長財布には、「ササマチ」タイプと、「通しマチ」タイプの2種類が存在します。

 

 

一般的に、薄手のコードバン長財布では、札入れ部分の上部のみにマチが付く「ササマチ」が多いのですが、今回はちょっと珍しいとも言える「通しマチ」タイプをチョイスしてみました。それではその特徴について、順を追って見ていきましょう。

■コードバン&ベジタブルタンニン

キプリスは1995年に設立され、約20年の歴史を持つブランドですが、設立当初より扱っていた同社の定番素材の筆頭ともされているのがコードバンです。HPによれば、キプリスで使用するコードバンは国内産とのことで、製品によって仕入れルートや工程は異なるかもしれませんが、鞣しから染色まで、かなりのこだわりを持っていることが推察されます。

 

 

コードバン(CORDOVAN)とは、スペインのコルドバ地方がその語源と言われ、農耕馬のお尻の部分からわずかに得られる希少な皮を鞣したものを指します。その希少性に加えて、裏側から削り取るような採取方法、きめ細かい繊維と牛革の数倍と言われる強度、美しい光沢などから、「革のダイヤモンド」とも称されます。

 

 

こちらが外装のコードバン。何も手入れをしていない状態ですが非常に滑らかな表面で、手でそっと撫でるとシルキーな感触が伝わってきます。

 

 

また光が当たると美しく輝き、高級感が漂います。

 

 

一方、財布の名称の一部になっている「ベジタブルタンニン」というのは、植物タンニンによって鞣されたコードバンのこと。動物の「皮」は、鞣(なめ)し工程を経ることで「革」へと変化しますが、比較的近代の手法で時間やコストを抑えることが可能な「クロム鞣し」に対して、古来から行われる「植物タンニン鞣し」は手間がかかるものの、堅牢且つ経年変化が楽しめる革が得られます。

 

■ヌメ革の内装と「通しマチ束入」

財布を開くと、内側は美しいヌメ革の内装になっています。

 

 

左上には「CORDVAN & Vegitable Tanning Leather」の文字。

 

 

特徴的なのは、この「通しマチ束入」の部分です。「束入」というのは、お札を折り曲げずに束のまま入れるタイプの財布を指しますが、多くの長財布では札入れ部分の下側にはマチが無いために、ある程度の枚数を入れるとお札の上端がせり上がってきてしまいます(ササマチタイプ)。通しマチの場合は、お札の枚数が増えても、全体的にマチが付いているため、収納力が抜群に上がります。

 

 

実際、この財布に100万円相当の札束(実紙幣より3mmほど小さい疑似紙幣)を入れてみたところがこちら。ほぼ問題なく収納できそうです。

 

 

またこの通しマチは、かなり折り目がしっかり付けられていて、お札の数が少ないときは財布の厚みは2cm以内に収まるコンパクトさです。

 

■お札入れ、小銭入れ部分の内側は合皮・布張り

一点気になったのは、見えない部分ですが、お札入れ・小銭入れの内側に合皮や布が使用されていることです。10年以上は使う財布なので、耐久性を考えて素材選びはされていると思いますが、他社(ココマイスター、万双、土屋鞄など)同等製品の革張りに比べると、かなり薄いので少し気になるところです。

 

 

 

価格的にコードバン長財布としてはかなりリーゾナブルになっているので、この辺りはトレードオフと言えるかもしれません。もし店頭で手にすることが出来れば確認してみられるといいかと思います。

■豊富な収納ポケット

カードポケットが12箇所、ワイドなマルチパーパスポケットが3箇所と、このコンパクトなサイズにしては、かなりの収納力を持っています。

 

 

またカードポケットは12箇所中4箇所が札入れの内側に設置されていて、健康保険証や運転免許証など使用頻度が少なく大切なカードに対応。前面のポケット4箇所はカード挿入部分が斜めにカットされている為、カードの視認性が向上するなど、細い配慮が見られます。

 

 

以上、細部の特徴を詳しく見てきましたが、大雑把に言うと他社の同等クラスのコードバン長財布と比べて、「コンパクト」且つ「収納力豊富」で、価格的にもリーゾナブルな一本と言えると思います。

 

公式ページを見てみる

 

価格 30,240円
レザー

表面:国産コードバン
内部:欧州産ヌメ革

縫製地 日本

 

■ コードバンの関連記事

 

各社のコードバン長財布をレビューしていますので、合わせてご覧下さい。

 

ココマイスターのコードバン長財布

GANZOのコードバン長財布

土屋鞄のコードバン長財布

万双のコードバン長財布