皮から革に変えるためには「なめし」という加工作業が必要です。なめしが変われば革の呼称や特徴も変わるのですが、ヌメ革は植物性タンニンを用いてなめした革のことを言います。
▼財布の内部に使われることが多いです
ヌメ革についてもっと詳しく
植物性タンニンは、オークなど樹木の皮あるいは木質部分から抽出される成分のことで、殺菌・抗酸化作用に優れています。自然由来の成分を使用しているため、環境にも優しく「自然環境に配慮した革加工」として注目されているほど。
革らしさを感じられるのもヌメ革の特徴で「自然に近い状態」という意味合いから「ナチュラルレザー」と呼ばれることもあります。
表情豊かなヌメ革
なめし以外の表面加工はほぼ行われないため、表面に血管や傷が浮き上がっている、いわゆる「ナチュラルスタンプ」が見られるのも特徴。
個性豊かな表情を見せるヌメ革は「革の中の革」と評されることもあり、革の香りと柔らかな手触りからファンを多く集めています。
一方で、表面加工を施していないため、傷つきやすく扱うときには注意が必要です。とりわけ使い始めの状態のヌメ革は水に弱いので、濡れないように注意し、水が付着したらすぐに拭き取る必要があります。
時間が経つと変わるヌメ革の表情
ヌメ革に施されるなめしは、タンニンを革に浸透させるように行われるので、繊維が詰まった状態になり、革がより丈夫になるのです。
とはいえ、毎日使用しているといつの間にか揃っていた繊維が乱れ、手にフィットするような優しい手触りになります。加えて、手の脂が付着することによって革が飴色に変化するのもヌメ革の魅力。
ちなみに、ヌメ革は一般的な革と異なり、日光を当てることで革内部の脂が浮き出てくるため、定期的に日光浴をさせるのがポイント。
最後に
ヌメ革は温かみもあり、優しい風合いなので女性にも男性にもおすすめします。個人的には安価でカジュアルに使える、という点でパティーナのヌメ革財布が気に入っています。
手入れには多少気を使いますが、世界に1つとして同じものがないという特別感や、徐々に変化していく革の様子を見られる幸福感は何ものにも代えがたいですよ。